タグ「エッセイ」が付けられているもの

死んで生き返りましたれぽ 村上竹尾

Amazon
死んで生き返りましたれぽ をAmazonで見る

心肺停止から日常生活に戻るまで回復する著者の視点から描いたエッセイ漫画。
先行きの不安から仕事を詰め結果体調を崩し重篤な状況になった著者。体を厭わないというより厭えない状況に近いので過労死直前の人の状況に近いのかな。
心肺停止から意識が戻ったことや闘病生活を主観な視点で描く。患者の視点からの世界の見え方というか、口や文章で説明されてもピンとこないことがクリアにわかるというかな内容だった。
認識や心情の描写がダイレクトに伝わるというか、追体験を得られるというかな稀有なエッセイだと思う。
なんにせよ回復されてよかったです。
続刊?に「生き返ってもあの世」も発表されたようです。

村上竹尾 / 双葉社全1巻
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★☆☆

夜さんぽ 木村いこ 

自律神経を壊し不安障害になり外に出られなくなったイラストレーター兼漫画家の著者。
体重が増加のため、できる運動は・・ということで夜のウオーキングをすることになる。
同居人であり相方の男性を付き添いに、夜の散歩で著者(たまに相方)が見る情景を
描いたエッセイもの。
不安障害を抱えている著者の話だが、医学的な見解などはなく、
(病を得たことによる感覚の弊害の描写はあるけども)
著者当人が見たり聞いたり感じたりしたことを淡々とかつ叙情的に描かれている。
ちょっとだけ辛い印象を受ける主題ではあるが、
牧歌的でほんわかとした絵柄と作風は変わらず、
ゆっくりとした気持ちで堪能出来る内容だった。
相方さんと著者のやりとりが微笑ましく、いいコンビだなと思う。
相方さん視点の話もしんみりとした。
個人的に、夜のひっそりとした町を歩くのってちょっと冒険的な心持ちになる
ことがあり、その点で共感をひしと感じた一作だった。

木村いこ
リュウコミックス全1巻/ 徳間書店
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★☆

ヴェネツィアひよわ紀行 橘紫夕

Amazon
ヴェネツィアひよわ紀行をAmazonで見る

著者とご友人によるイタリアのヴェネツィア旅行記。著者の作品ひよわーるどのキャラ絵がご本人たちになっている。
著者が虚弱体質からこの題名らしい。ゆるくもほんわかとする著者の作風でもって描かれるエッセイは楽しく読める。
現地での体験や注意点もきちんとあり、ツアーでない個人旅行、格安で観光とグルメを堪能する手段の1つとしても参考になると思う。背景はさっぴいているあたり著者だ(笑)
周到な準備と詰め込まない行程、一辺倒でない視点と行動は見事。 ご友人と著者の息ぴったりのノリも良い。

橘紫夕
バンブーコミックス全1巻 / 竹書房
ジャンル:エッセイ・旅行記 / 好み度:★★★★☆

猫で語る怪異 TONO 

著者が聞いた不思議な話やオカルト的不穏な話を集めたオカルトエッセイ漫画。
著者(と妹さん)自身霊感がある人でご自身が体験されたエピソードを綴ったエッセイも
多々発表されているが、こちらは著者が聞いたお友達や知り合いの体験談をまとめている模様。
同時収録の日常怪談は著者自身の話だけど。
題名にあるように、登場人物を猫キャラに変換、擬人化ならぬ擬猫化キャラで描かれている。
怖さを半減させるためというのもあるだろうけど著者的に人を描くより
猫を描くほうがラクだからではとちょっと思ってしまった。
著者の描く猫キャラ好きだからちょっとうれしいw
オカルトものとしてはオーソドックスにしてリアルに生々しい内容。
実体験話だから然もありなんか。実は霊関係なかった話も別の意味で生々しかった。
過剰に演出しないのにじわっとくる怖さを感じる構成はやはり上手い。

TONO
HONKOWAコミックス1~ / 朝日新聞出版
ジャンル:エッセイ・オカルト / 好み度:★★★★☆

精神病棟ゆるふわ観察日記 杉山なお 

精神科病棟に勤める著者の病院内の出来事を綴ったエッセイ漫画。
看護師ではなく病院内清掃や雑事などの業務に就かれているよう。
リアルな病棟の日常、患者の症状とその対応の一部が綴られている。
著者は病の当事者でない分、事柄としての様子が描かれているように思う。
描写も柔らかめで回復されて退院された人のエピソードも多い。
個人的には、病名がついた人はこういう行動を取ることがある、と
頭の隅に置けるエピソードが見られたのは有意義だった。
むろん、絶対的なものとして見ないけど。
あとガチのオカルト経験談があるってのは珍しいかな。
他の作品に見られるナースによる病院怪談より怖かった。
絵は万人向けで上手く読みやすい。
等身はリアルで人物の描写もソツがなく漫画を描き慣れてる感がある。

杉山なお
このマンガがすごい! comics全1巻 / 宝島社
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★☆☆

著者と著者の飼い犬どてちんと同居人で漫画家の日々の暮らしを綴ったエッセイもの。
主に著者と著者の飼い犬だけどさっぱり著者に懐かないどてちんの関係がネタになっている。
愛犬が家に来た当時著者が多忙で、著者のアシスタント業務もやっていた
同居人さんに世話を一任していた結果、愛犬の種が主人をひとりしか認めない性質なのも
あって同居人さんにしか懐かないという、なるべくしてなった状況みたい。
同居人漫画家さんのエッセイで著者と愛犬の話は度々登場していたので
相関?の予備知識は有ったけど、誇張無しだったのかというのが正直な感想。
犬種の性質をわかっててなぜ、というツッコミもなくはない。
つれない愛犬に一喜一憂し、親ばかならぬ愛犬バカを遺憾なく発揮する著者は愛おしい。
しつけを失敗して言うこと聞かないってのはわりと見るけど、
犬でこのパターンは珍しいかもしれない。
ペットものとしてはけっこう楽しかった。漫画を描き慣れた著者だけに
展開のテンポが良く読みやすいのも良い。

高久尚子
キャラコミックス全1巻 / 徳間書店
ジャンル:エッセイ・ペット(犬) / 好み度:★★★★☆

精神病棟入院記 岡野く仔 

高校受験のストレスから強迫性障害と診断され、両親に促され精神科病棟に入院した著者の入院体験記。
16歳当時の話。1ページ使っての横長枠組みタイプの4コマ構成。
カウンセリングはなく薬物療法も効果が薄く。シビアで赤裸々な心情が連綿と綴られる。
病棟によって治療方針が違うもんなんだなと感じた。同じ病でも個人によって症状は違うだろうし
画一的にはいかないか。そういや他の専門科でも病院によって方針が違ってたっけ。
病院内の出来事やルール、治療あれこれ、家族との関係などなど。
他の闘病記と比べても客観的にも主観的にも綿密な内容だった気がする。
読む限りは母親がネックのような気がするけど・・。どうなんだろうなあ。
一進一退のような治療の中、現在は社会復帰しているようでよかった。
この分野医療も日々進歩してることがわかってちょっとほっとする。
そういやこのコミックス、まんだらけから発行してるのか・・。

LAZAコミックス全1巻 / まんだらけ
ジャンル:エッセイ・体験記 / 好み度:★★☆☆☆

ペン太のこと 片倉真二

Amazon
ペン太のことをAmazonで見る

著者夫婦と、最初の飼い猫・ペン太をはじめとした飼い猫たちとの出来事を綴った猫エッセイ。
著者夫婦は共働きなどのストレスから喧嘩が絶えない時期があり、そのころに著者は立ち寄ったペットショップで爆睡する一匹の猫を購入する。そのこは女の子なのになぜかペン太と名付けられ、夫婦の鎹となる。
エッセイもの、なのだがどこか童話を読んでいるような作風でもある気がする。客観的に見る著者(や奥さん)の視点での飼い猫たちの行動の描写、淡々としたト書きナレーションがツボすぎる。喧嘩ばかりの夫婦の元に猫がやってきたら喧嘩が減った、という子は鎹ならぬ猫は鎹、という話はじわっと来るなあ。
最初の猫・ペン太がやってきた後、徐々に飼い猫が増えていき、各々の猫たちの個性が的確に描かれているためか混乱することなくそしてどのエピソードも面白い。ご夫婦の猫たちへの愛情がさりげないというか、日常における空気みたいな愛情を感じる。著者が猫に対して自分のことをおとうちゃん、というのがかなりツボだった。
エッセイものによくあるデフォルメした絵柄なのにペン太の最期のエピソードは泣ける。けっこうペット漫画でお別れのエピソードを読んだことはあるのだが素で涙がにじんだのは初めてだった。

片倉真二
イブニングKC 全10巻/ 講談社
ジャンル:エッセイ・ペット / 好み度:★★★★★

暴れん坊本屋さん 久世番子

Amazon
暴れん坊本屋さんをAmazonで見る
/

漫画家と書店員の二束わらじの著者の実体験による本屋さんで働く書店員の業務内容や実情を描いたエッセイコミック。
新聞にもとりあげられ一時期話題になった本屋さんエッセイ漫画。経験者はこれ以上になくうなづく内容、また書店員に興味のある人にとってはいろんな意味で有意義な内容かと。
テンション高めで進行する主人公のキャラはかなり個性的。インパクトは大事ですよね。
本屋の基本的な業務内容の紹介のほか、マナーの悪いお客の話や犯罪行為の対策とか身につまされる実情の話もあり。
注文だと今ではやっぱり通販が主体になってきてるかなあ。たまに書店員さんのぼやきを聞きますし。通販は便利だけど本屋で思いがけなくいい本と出合うあの瞬間はいまだに捨てがたいです。
ウンポココミックス3巻発売後、営業さんのまんがを加えて再編成・発行されました。

久世番子
ウィングスコミックス全2巻 / 新書館
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★★

神は細部に宿るのよ 久世番子

Amazon
神は細部に宿るのよをAmazonで見る

自称おしゃれの川下在住の著者による被服生活の細部に関するファッションコミックエッセイ。
一般ファッション誌で見られるようなおしゃれや流行の話というより、専門雑誌では見られないようなネタに焦点を当てています。
病院に行く際のファッションとかタグの話とか、服と取り扱いの話とか、百貨店の階の年齢設定とか、日常においてあるあると思う被服関連の細かい話が詰まっています。ファッションに興味のない人とか男性でも面白く読めそうな内容かも。
流行は・・ほんとうにわからんです。つか流行は専門の人が作ってるんだろうけど。
1巻巻末にいつもの2頭身キャラでファッションエッセイって無謀云々ってありましたけどあまり違和感がなかったなあ。主人公2頭身キャラはほぼ語り手の立ち位置だったからかな。それよりもタイトルの意味がよくわからなかった私。

久世番子
ワイドKCKiss1~ / 講談社
ジャンル:エッセイ・ファッション / 好み度:★★★★☆

Amazon
アラフォーおひとりさま、結婚しました。をAmazonで見る

おひとりさまである自身の体験談や生活を描いたエッセイを多く出した著者がついに結婚。結婚に至るエピソードや結婚までの諸々の出来事やおふたりさま生活などを描いたエッセイ。
けっこう前にご結婚されていたのは知っていましたがやっと本にしたか~という感じ。
お相手は年下男性(といっても三十路)で、元々友人関係から彼氏になり結婚に至ったようです。しかし交際期間というか出会ってからの年数が多いなあ・・そんなもんなのか。おひとりさまエッセイ漫画家という肩書きと著書の内容が影響していたのかなあと思ったり。実際結婚の際、そのへんをちょっと懸念してたみたいですし・・。
二人の馴れ初めとか結婚が決まってから双方の親との対面などの諸々の用事や二人暮らしのエピソードなどなど。あと著者のカラダの話とか。三十路以降に結婚した人のエピソードではちょいちょい入りますよね・・。体の変化する時期とかぶっちゃうからなのか生活が変わるからなのか。
なんにせよ、大変なエピソードもあるけど基本明るく楽しげな新婚スタートの話が読めてほんわかしました。おめでとうございます!

フカザワナオコ / KADOKAWA全1巻
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★☆☆

すきまめし オカヤイズミ

Amazon
すきまめしをAmazonで見る

一人暮らしの物描きの女性。在宅仕事なので仕事の隙間に食事を作る。そんな彼女の日常と彼女が作るすきま飯のお話。
たぶん主人公の女性は著者自身でエッセイでいいんだろうけど、フィクションぽい雰囲気でもあるんですよね。在宅仕事の食を含めた日常を覗きつつ、主人公が作る簡単レシピも登場する構成。前作と同じく、オシャレ女性雑誌の挿絵にありそうな(漫画ではあまりみかけない)絵柄である種のノスタルジーも感じてしまうのはなぜなんだろう。
マイペースな主人公の言動は果てしなく癒されますし、出てくるレシピは地味に役に立ちました。特にきゅうりレシピ。夏になるとアホほど取れる上に他からもどっさりいただくのでネタ切れしていたところに読んだもので。
簡単に作れる料理ばかりでもなくわりと手間がかかる料理もありました。おもてなし料理とか。まあつまみ食いしているのである意味すきまめしか。

オカヤイズミ
エデンコミックス全2巻 / マッグガーデン
ジャンル:女性・エッセイ / 好み度:★★★★★

原作さん 一條マサヒデ/ 藤本たみこ

Amazon
原作さんをAmazonで見る

4ジゲン・B.BJOKER・殺し屋さんなどで知られる漫画原作者自身が漫画を描いたというのが売りの著者の日常ネタ漫画集。といっても途中から作画は奥さんと交代したので共著状態になっています。
事は双葉社の担当の人から漫画を描いてみませんかというオファーから。著者は漫画の原作に携わっているので、作画の人や担当の人には漫画家も描くネーム形式でネタを見せる。そのネーム原稿が、構図など漫画家としても遜色ないクオリティであるのに目をつけた担当は、原作者が漫画を書いてみるというコンセプトを思いついた、というわけで。漫画原作者が、家族や周辺の出来事をネタにしたいわゆる日常エッセイ系漫画を描くというコンセプトの連載が開始される。
絵を描くことに慣れていないといいつつも、確かに構図など、エッセイ系の本を出版している人と比べてもなんら遜色なく、むしろクオリティ高くね?と感じます。荒削りな線も絵柄も味があり、こういう日常ものや4コマだとスルーしがちな各話のサブタイトルも活かす見事なコマ配置。
内容は家族の話が大半かな。あと締め切りネタとか。著者のカラーを感じさせる脱力系かつぴりっとしたネタ回し。家族を基にしたエッセイ系でもこの温度なのか。3人の息子さんたちの行動がとても愉快。
あと特徴的なのが、著者はとにかく作画作業が苦痛で、徐々にそのネタが増えてゆき、巻半ばにして奥さんに作画を丸投げするという事態に。そしてまた奥さんの絵がうまいの何の。どういう経緯の持ち主か本気で知りたくなった。奥さんの絵はとても丁寧で、絵本にありそうな絵柄。著者のキャラデザを継承しつつも著者の絵とはまた違った優しいほっこりした雰囲気をかもし出しています。
それにしても著者はほんとう~に絵が描きたくなかったんだな・・。なのにデザイン担当の指定により単行本化にあたりかなり絵を書き下ろされているという。各話に感想を入れたいくらい楽しめたタイトルでした。

一條マサヒデ/ 藤本たみこ
アクションコミックスコミックスハイ!全1巻 / 双葉社
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★★

まんぷく遊々記 片倉真二

Amazon
まんぷく遊々記 をAmazonで見る

著者の同名日常ブログからの書籍化。仕事場がある浅草に纏わる話、旅行の話、ゲームがドット絵時代だったころの上京・ゲーム会社への就職・修行の話などのエッセイもの。オールカラー。
忘却の旋律の作者でしたか。なつかしい。ゲーム原画の人だけあって無駄な線のない絵で読みやすい。著者の自画キャラも味があるというか面白い造形。淡々としているのか一歩ひいたかんじというか、気負いせずに空気みたいに読める作風(ほめてます)。
コメディのノリとマジメな話のバランスも良いなと感じました。
田舎者ゆえ巨大な黄金のアレなオブジェのなりたちをこの本で知りました。そして浅草にあることも初めて知った(汗)
ドット絵修行の話はいろんな意味でおおおとなりました。限られた容量で最大限に動きの良いのをつくるのは大変だったろうなあと。一緒にしたら怒られるだろうけど、昔のHTMLサイトの時に感じた制限を思い出します。絵サイトだとあっという間に容量が厳しくなったっけ・・。この本の次に出ている飼い猫たちの本もおすすめです。

片倉真二 / エンターブレイン全1巻
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★★

Amazon
31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなるをAmazonで見る

著者(奥さん)の婚活エッセイに続き、著者の旦那さん側の婚活エピソードを綴ったエッセイ。
那さん側の本が出るよエイプリルフール企画が現実になったという経緯で発表された作品。男性視点の婚活漫画は少ないので書いてみた、みたいなコンセプトのようですが、それはそうかも-。1冊しか見たことないや。しかもその1冊もこの作品と同じく当人が描いたのではなく別の女性が描いた書いてたしなあ。
恋愛体質ではない男性であろう旦那さんの涙ぐましい努力と試行錯誤とエピソードが興味深かったです。著者のあいの手と同調したというかあるあるあるって感じる話も多かったけど、ドタキャンの話は衝撃だった。ウソだろうと思わず突っ込んでしまった私;。婚活サイト経由だからってのもあるのかなあ。あとマジでおっさんからのラブコールが来ていたとは・・。
変えた自分よりも素の自分で暮らせる・居心地の良い相手がいちばんしっくりくる相手ですなということで。

御手洗直子
ウィングスコミックス全1巻 / 新書館
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★☆

山賊ダイアリー 岡本健太郎

Amazon
山賊ダイアリー をAmazonで見る

漫画家の著者は東京を離れ地元岡山で狩猟免許を取り猟師となる、という始まりのエッセイ。
銃所持の資格取得や所持の諸注意、銃選びと著者の持つ空気銃をはじめとした狩猟に使う銃の特性、実際の狩猟体験談や狩猟仲間との交流、戦利品の解体や調理など、エピソードは多岐に渡る。蘊蓄に偏らず演出にこらず淡々と描くシンプルな構成で退屈せず最後まで楽しく読める。むろん今までにない題材のエッセイというのもあるだろうが。
絵は正直あまり上手いとは言えないが、エッセイものとしてはこれがいい案配に馴染んでいるとも言える。個人的には料理エピソードでは絵面が簡素すぎて調理の詳細がちょっとわかりづらかったのが残念だなと感じたのだが、ほ乳類を裁く絵面がきついという人もいるだろうしその意味ではこれで正解なのだろう。
狩猟エピソードがメインになりそうなところを他の諸々もきちんと描くことで興味をそそり奥の深いものになっているように思う。ほんと面白いです。はい。
冒頭であった猟師は野蛮ていう女子との会話が現代、というか都会の人の認識なんだなあ・・。

岡本健太郎
山賊ダイアリー / イブニングKC全7巻  / 講談社
山賊ダイアリーSS / イブニングKC1巻  / 講談社
ジャンル:青年・実録エッセイ / 好み度:★★★★★

ズボラ式こそうじ術 春原弥生

Amazon
ズボラ式こそうじ術 をAmazonで見る

掃除テクニックをレクチャーする本ではなく、まとめて掃除が常のズボラを自認する著者がいかに負担なくきれいな部屋を維持するかの試行錯誤を描いたエッセイ本。
試行錯誤というのもちょっと語弊があるかなあ。やってみて続きそう、と思うとちょっと躓いてまた改善ってかんじかな。この本の肝は、まとめて大掃除より普段からまめに小掃除をしたほうが楽という、あたりまえっちゃあたりまえの事柄です。がっつり掃除の技を知りたい人には物足りないと思いますが、どこからどうやればいいのかさっぱりな人にはとっかかりにはなるかもしれません。
独身時代の年末というか大みそかの大掃除の大変さに辟易したことからはじまり、結婚前の同棲で相手の荷物の少なさに驚き、結婚の後の新居で掃除の手際のまずさを相手に指摘され、小掃除の重要性を知り改善していく・・という展開かな。
読み物としては、著者自身の生活の変化も挟まれており、複数の状況下での掃除事情が出てくるので退屈せずに読める内容だと思います。絵柄もかわいく好ましい作風でした。

春原弥生 / 文藝春秋
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★☆

Amazon
おひとりさまの京都ひとり旅 をAmazonで見る

毎日がおひとりさまの著者が、自身の京都のひとり旅をレポートした旅エッセイ。
著者は名古屋在住なので京都は近場の気軽に行ける場所ということで、何度も京都を堪能するというコンセプト。
1回ごとに~の旅ってかんじでテーマを決めています。京都内では徒歩のみだったりレンタサイクルだったり、日帰りだけでなく一泊したり、グルメに体験にとけっこう盛りだくさん。
最初に巡る場所とか寺院とかのスケジュールを提示してそれに沿っていく形式なので、京都観光に行きたいけどそれなりに効率よく回る行程を調べるのがめんどくさい人に優しいかもしれません。少なくとも私は参考になりました。なので個人的にはエッセイを楽しむ本というよりゆるい京都観光案内の意味合いが強かったかも。ご朱印の存在をこの漫画で初めて知りました・・。昔、寺院巡りをさんざんしたときにつくっとけばよかったよorz

フカザワナオコ / 主婦の友社
ジャンル:エッセイ・旅 / 好み度:★★★★☆

東京ルームシェア生活 きのしたきのこ

Amazon
東京ルームシェア生活 をAmazonで見る

著者を含む女性3人のシェア生活を描いたエッセイ漫画。
専用のシェアハウスではなく普通の物件を借りたパターン。物件探し・引越しも3人で行い、個室の選択・共同部屋の家具配置などの決定も相談と擦り合わせが行われた後にシェア生活開始。
3人は元々知り合いであることと、内2人はシェア生活経験済、得意不得意分野が分散しているなど、知らない者同士のシェアよりは順調に展開されています。とはいえやはり他人同士の同居生活には幾分かの衝突もあり。その場合はやはり妥協できるところは妥協し、できないところはきちんと主張するというのは大事なことだと感じます。楽しい生活描写だけでなく要所要所でためになるエピソードが入っていて読み応えがあります。可愛く上手く好みで読みやすい絵も良いですね。
個人的にはおそらくすることはないであろう疑似シェア生活を楽しめる一冊でした。ごく普通の生活の描写とか物件の間取りとか見るのが元々大好きというのもあるのですが。

きのしたきのこ / メディアファクトリー全1巻
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★★

中年女子画報 柘植文

Amazon
中年女子画報 をAmazonで見る

自身が四十路になり様々な方面から中年女子を考察し、正しい中高年を目指すというコンセプトのエッセイ漫画。
心身ともに若いころと変化するお年頃の暮らし方とか方向性とかを主題にして著者がいろいろやってみる内容・・でいいのかな。
40代対象の婦人雑誌を読んでみたり、オトナの夏の過ごし方を模索してみたり、ひとり旅やったり、能・美術館・演芸などを鑑賞したり、中年女子会やってみたり、登山したり・・ほんといろいろ体験されています。毎度おなじみの情報量がみっちみち、体当たりの体験の中において適度なマイペースさと一歩退いた冷静なツッコミも健在。なんかほっとしますよ。
年上の人の老化関係の忠告は、その年齢になるとしみじみ感じるってのはあるあるなのか。成人式ならぬ中年式というの面白いですね。キャラ絵だと地味女性系だけどコマの中にある著者の写真を拝見するにご本人はけっこう美人な気が・・・。
2016年くらいに続編も刊行されました。

柘植文
中年女子画報
中年女子画報~44年目の春~
バンブーエッセイセレクション各全1巻 / 竹書房
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★☆