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イケメン優等生・チャラ系モテ男・パシリ系活発子犬くんなキャラを持つ3人の男子で構成されたミステリアス解決部。部活内容は、生徒が投書する「不思議だと思う事柄」を解決するというもの。
そんな彼らにやってくる依頼は、という内容なのだが最近入る投書内容は不思議というより萌えジャンルの探求を望むものばかり。ちなみに投書する生徒はいつも同じ。
そんなこんなで、部員3人が嫌々萌えジャンルを探求していくはじまりの学園コメディ。萌えジャンルとは眼鏡とか着流しとか多種多様。エピソードを重ねるうちに萌え探求の投書をする女生徒が投書だけに飽き足らず部活にしゃしゃり出てきて、さらにカオスになっていく。
1萌え1エピソードなので読みやすく、気軽なかんじで楽しめる・・かな。
萌えといっても女性向けが多く、そのため検証させられる男子部員達には試練、
という構図もコメディ的に見所のよう。
キャラ設定もキャラの動かしかたも快活でノリが良く、読者層にはハマっている印象。
自分の意思を貫いた方が人生楽しいよねと感じる作品でもあった(笑)

朔坂みん
あすかコミックスDX全1巻 / 角川書店
ジャンル:少女・学園コメディ / 好み度:★★★☆☆

有栖川有栖の推理小説のなかの、作家アリスシリーズをコミカライズしたシリーズ。
新装版では5冊にまとめられているみたいです。
推理作家の有栖が、臨床犯罪学者・火村英生とともに出会った殺人事件の謎を解いていくという
スタンダードかつ本格的な推理もの。
主人公がワトソン(助手)役、火村英生が探偵役。
漫画の描き手の特徴なのか原作のカラーなのかけっこう淡々と話が進む印象。
複数の関係者との会話と主人公コンビの議論が大半を占めるゆえか、台詞の文字が
画面の大半を占めるのでけっこう読むのが大変だったっけ。
まあそれだけ読み応えはあるし、丁寧に描かれているとは思うのですが、
やっぱりこのシリーズは原作を読む方がいいのかも、と思った作品。
同著者の他のコミカライズではそうは感じなかったんだけどコンセプトの違いなのかも。
このシリーズは一周回ってそのまんまだったってパターンが多かった印象。
クライマックスの演出があっさりすぎるのも特徴かな。
個人的にはもうちょい余韻がほしいところだけど原作通りなんだろうな。

麻々原絵理依
あすかコミックスDX5巻 / 角川書店
ジャンル:推理ミステリー・少女 / 好み度:★★★★☆
ロシア紅茶の謎 / 朱色の研究I・II / ブラジル蝶の謎 / 英国庭園の謎

神社の娘の主人公が、生身の女子を愛せない男子2人とビッチな親友に振り回される4コマ漫画。
・・・でいいのだろうか・・。
まず幼馴染みの親友がビッチ系だし主人公のディスり発言がひどいというびっくり設定。
そしてあるきっかけから、霊体しか愛せない男子と、
その幼馴染みである人外しか愛せない眼鏡男子と
知り合うことになり、ハチャメチャな展開になる。
どうも主人公は神社の娘らしく霊能力があり、
男子たちと接触すると霊や妖が見えるということが判明し
関わりたくないのに腐れ縁のようになっていくという・・。
ラブコメで4コマとなるとほのぼの路線が多い中、
登場人物同士の掛け合いがかなり殺伐としているのが特徴。
主人公も振り回される役どころではあるがツッコミが負けず劣らず
毒が強いのでまあバランスはとれている。
その点では似たような話の中ではストレスは少なめかも、と感じた。
どのキャラも自分のエゴに正直で隠そうともしなくて
ゲスいあたりかえって清々しいというかなんというか。
そんなこんなで殺伐ラブコメかと思ったら
後半からいろいろ予想外の設定が表に出てきて前半とは違う面白味も出てきた。
総体的に悪くはないが、途中から設定がいろいろ出てきたのもあって、
まとまりがないというか雑多という印象が強い話ではあった。

サキモトソラ
ゼロサムコミックス全1巻 / 一迅社
ジャンル:4コマ・ラブコメ / 好み度:★★★☆☆

ハスク・エディンhusk of Eden 如月芳規 

古代城塞都市の聖なる塔を守る役目を担う軍の部隊に所属する面々を描く物語。
戦争で都市機能は他へ移動し現在住民のいない古代都市。
都市自体は廃墟だがその中心の塔が重要で守護する部隊が配属されている状況。
なぜその塔が守られるべきなのかの明言はなく、また部隊の末端にもよくわかっていない模様。
ただテロリストがその塔を狙って都市内部に入ってくるのでその排除をしているかんじ。
塔の重要たる理由を知らない人間が同士が塔を巡って戦うという奇妙さも肝の1つなのだろう。
ドラマとしては、エピソードごとに主格が変わる、ある種オムニバス形式とも言える構成。
というか変えざるを得ないというか。主役を毎度変えるというコンセプトが軸になっている作品なので。
戦争モノでは昔は見られた構成だが今だとちょっと珍しいかも?
進撃某もこの形式かと思っていたら違ってたし。
主格がエピソードごとに変わる構成、そして登場人物たちのほとんどが
塔の重要性の意味を知らず戦うという構図によって、
戦争の空虚さとか虚無感が半端なく感じられ、その意味では
主題をしっかりと描かれた秀作だと感じる。
だた、主格を変える構成のわりに、キャラデザが似ていて見分けがつかないところが
多々あってちょっと戸惑うところが難点。

如月芳規
ゼロサムコミックス全4巻 / 一迅社
ジャンル:少女・ドラマ/ 好み度:★★★☆☆

キスよりも早く 田中メカ 

主人公は血気盛んで正義感が強い暴れん坊な女子高生。
両親が死亡し弟と親戚をたらい回しにされたあげく家出をし途方に
暮れていたところ担任の男性教諭に拾われ、ほぼ売り言葉に買い言葉なノリで二人は婚姻関係を結ぶ。
そんな始まりの教諭と生徒の秘密の結婚生活のお話。経緯は冒頭であっさりと、
メインは二人とかわいい弟の暮らしや秘密たるがゆえのコメディドラマ。
1エピソードの区切りがよく、軽快に読めるし、キャラ描写が活き活きとしている。
レーベル的に夜のほうが健全、イチャイチャと痴話げんかしつつもラブラブという定番を堪能出来る。
エピソード自体に目新しさはないのだがツボを押さえた構成はやはり面白い。
安定したラブコメとはかく言わんや。
本編完結後、特別編を集めたキスよりも早くFutureも発売されている。

田中メカ
花とゆめコミックス全12巻+特別編1巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ラブコメ / 好み度:★★★☆☆

身代わり伯爵の冒険(1) (あすかコミックスDX)
柴田 五十鈴 清家 未森 ねぎし きょうこ

少女小説のコミカライズ。パン屋の看板娘の主人公が、
失跡した双子の兄である伯爵の影武者になるように依頼されることから物語ははじまる。
繊細な線画に、しっかりしたデッサン力で中世西洋ファンタジーぽい世界観に
よくあった愛らしい絵柄。
原作がそうなのかもしれないが、主人公の双子の兄が貴族で主人公は庶民である経緯とか
影武者となった主人公の立ち位置とか王宮内?での出来事とか、なんだろう・・
どーもしっくりこないというか、なんど読んでも頭に入りずらいんですよね。
たぶん既存の王宮とかのイメージよりだいぶお気楽な雰囲気だからなのかも。
失跡してる兄ものほほんキャラっぽいしな。
主人公はトラブルにも果敢に挑むタイプの漢前キャラでナイチチに悩むってのもお約束か。
主人公を迎えにいった、兄の親友の正統派騎士が主人公のロマンスの相手のよう。
明るい王宮ラブコメを読みたい人向けかな。個人的には兄の日記を軸として
兄の視点からの本編のダイジェストのような番外編・身代わり伯爵と秘密の日記が面白かった。

原作:清家未森 漫画:ねぎしきょうこ
あすかコミックスDX全6巻 / 角川書店
ジャンル:少女・ロマンス・ラブコメ / 好み度:★★☆☆☆

1001ナイツ 杉崎ゆきる 

父の稼業を継ぎ、探偵として働く全く似ていない双子の男子。彼らが父の友人に連れられドバイ入りしたことから物語は始まる。
前世ファンタジーとアラビアンナイトなノリが混ざった感じの冒険活劇といったかんじか。
一応少女漫画なので主人公が男子とはいえ男女間ロマンスぽい要素も含まれているけど
絵面的にBLになっているという。
前世が王子と王女だしね。というかレーベル的にはわりとよく見る設定かもしれない。
アニメっぽい絵柄にはっきりした丁寧な線画なので画面が映えてるし
描き込みはすごいけど読みにくくはない。
画面は綺麗だけどあいかわらず話には入りずらいかなあ。このあたりは好みの差だと思うが。
前作よりは馴染めたし、キャラ設定もわかりやすかったんですが。
後半の展開の速さはともかくきちんと完結したのは良かったと思う。

杉崎ゆきる
あすかコミックスDX全10巻 / 角川書店
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆

死にたがりと雲雀 山中ヒコ

荒れた寺に棲み着き、寺子屋を始める浪人の青年と自堕落な父を持つ健気な長屋の少女を中心とした、江戸の下町を舞台にした人情物語。時代劇、なのだろうが人と人のつながりを主題にした暮らしの物語と言って良いみたい。
お人好しっぽい浪人の寺子屋先生は、実はある理由で死にたがっている。少女自身は快活でまっすぐで同世代の子供達からも頼られている。長屋の空き巣の犯人かと少女と仲間達が先生を調査することから、二人は出会い交流が始まるものの、その犯人が自分のの父かもしれないと思った少女は、侍先生になすりつけようとするというとこから話がはじまる。
著者の作品は、何かしら抱えるものを持つ人物たちのぶつかりや交流の描写がどれも心にじんわりと染みるがこの作品も言うに及ばず。人物描写が秀逸で、お仕着せでない浪花節みたいなものを堪能出来る。
世知辛いというか不憫な設定で主人公たちは幸福をつかめるのか不安になる展開ではあったが、著者らしい落とし込みだったと思う。
あとがきなどを見るとこういう題材はキャッチーじゃない分発表する場が少なくなっているらしい。

山中ヒコ ARIAコミックス全5巻 / 講談社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★☆

恋と呼ぶには気持ち悪い もぐす

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モテ男リーマンがひょんなことから女子高生に恋に落ちるが、相手は恋に落ちる前のリーマンの言動に引いたこともあり、積極的なリーマンのアプローチをひたすら気持ち悪がるのだった。
容姿・能力とも高スペックゆえ黙っていても女性が寄ってくるタイプのモテ男リーマン。それゆえに女性を軽んじているところがあり、見ず知らずのヒロインの女子高生に助けられ親切にされた返礼も高飛車な見返りを押し付けようとする。そしてそれまで女性に言われたことのない言葉で一刀両断され、そこから女子高生に対し、本物の恋心を開花し、以後どんなに鬱陶しがられようとヒロインに対するアプローチが続く・・という恋愛コメディ。
ちなみにリーマンの妹はヒロインと親友、という繋がりで二人が交流しやすい設定を作っている。
見方によってはストーカーといっても遜色がないのだが、デキる大人ゆえにその匙加減は絶妙。メアドゲットとか外堀を埋めてく過程とかロマンチックなアプローチとかほんとスペック高いよなと感心することしばし(笑)
スペック高い男性が釣れない女性にアタックする展開は大好物ゆえ読みごたえがある。あとヒロインの親友であり男性の妹たる女子のキャラもいい。女子にとっての二人を見るエピソードも地味に好きだったりする。
ヒロインはオタクという設定だがあまり前面に出てない気がする。リーマンの個性のほうが強いからかも・・。

もぐす / 一迅社1~
ジャンル:女性・ラブコメ / 好み度:★★★★☆

性別がどうした!! さっちゃん 

性別がどうした!! (ZERO-SUMコミックス)
さっちゃん
発売日:2016-12-24

一目惚れした相手は学ランを着た男子でした。
同じ学校で一目惚れした相手が男と認識しても
キラキラとまぶしく妄想が止まらない主人公男子。
そんな主人公の妄想ハイテンションコメディ。
相手の美少年も出会い頭に自分の性別を確認させるために
触らせるある意味男前なキャラ。まああとで照れてるけども(笑)
男子が男子に惚れる展開だがBLではないラインのコメディ。
ふたりの掛け合いの突き抜けたテンションが見所か。
振り幅がわりと大きいので好みは別れるかも?
絵はまあ可愛い。

さっちゃん
ゼロサムコミックス全1巻 / 一迅社
ジャンル:少女・コメディ / 好み度:★★☆☆☆

なんくる さだうおじ 

なんくる 1 (MFコミックス ジーンシリーズ)
さだうおじ
発売日:2014-08-27

日本最西端の離島を舞台に、都会から来た少年1人と地元の少年たち3人の
少年達による少年達視点のスローライフな日常を描いたお話。
一時期良く出ていた、田舎とくに南の島のゆっくりとした生活環境を描いている。
よく遊びよくサボりよくダラッとする日常。いい・・・(笑)
突出した事件があるでなく盛り上がりもないゆるっとした話なのだが
なんとなくゆるっと読み切ってしまう魅力がある。
絵が好みってのもあるけど、何気ない描写が秀逸だなと思う。
ゆっくりとした生活ペースに慣れない都会ッ子のツッコミがまあいいアクセントに
なっている。

さだうおじ
MFコミックス ジーンシリーズ全3巻 / メディアファクトリー
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★☆☆

ナギと嵐 もんでんあきこ

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祖母を火事で亡くし彷徨っていた少女は、ヤクザの兄貴分とその舎弟と出会う。兄貴分はその少女に目をつけ舎弟が止めようとしたところ、兄貴分の青年は別人となる。
少女は霊関係の筋というか家系で、力が薄まった血筋の人間に霊を憑依させ力を復活させる試みがあり、少女はそういう状態。一方兄貴分の豹変は天使の人格が憑依というか乗っ取った形。これらを設定からいわゆるオカルト系要素を含んだハードボイルド人間ドラマといった内容のよう。
少女の守護を祖母から受けた天使が兄貴分に憑依しているため、人格は天使の兄貴分と少女と舎弟が行動を共にしていく展開。舎弟は愚直でヤクザの舎弟をやっているが心根の優しい人物のよう。地味にこの舎弟が物語のカギも担っているのかも。
少女の取り巻く状況も展開も不穏な要素が多分にあるものの穏やかな要素もきちんと入れていて、ハラハラする展開も読みごたえのある内容になっている。
著者の話は手放しのハッピーエンドは少ないと思うがそれなりに救いがあり読後感がいい話が多いと思う。

もんでんあきこ
マーガレットコミックス全3巻 / 集英社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★★

ダブルゲージ 沙雪

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疫神(ギフト)戸呼ばれる様々な感染症が蔓延する世界で、その疫神を治療する組織に属する虚弱体質の薬剤師の男性は相棒の毒舌少女と共に疫神に対峙するメディカルファンタジーアクション。
感染症の治療といっても目に見える系というか疫病神を退治する内容なので、病気の治療というコンセプトをエンタメアクションファンタジーぽく作られた話というかんじ。
虚弱で常に体調が悪いという男子のキャラ設定は面白いし、相棒の毒舌少女のキャラ設定や掛け合いも軽快。ギフトがどのように患者に絡んでいるかという謎解き要素も結構作り込まれていて退屈せずに読める内容だった。
薬剤師なのに注射が武器っすかと突っ込みたくなるがそれを言っては野暮・・(笑)注射のときのお約束の台詞もうまく見せ場に使われているところは好き。
病理というテーマのためか中々に絵面的にエグい展開もあるが元の絵が丸みがあるというかアニメっぽい絵というかなのでグロさはさほど感じず。今時のノリを感じずにはいられない構成ではあるが素で楽しめた。
個人的にはジーンというよりガンガンぽいノリだなあと思わなくも。

沙雪
ジーンコミックス全6巻 / メディアファクトリー
ジャンル:少女・SFファンタジー / 好み度:★★★☆☆

トウキョウ・D 祀木円

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過去の内戦下で製造され、終結後も未だ都内に潜伏する戦闘用ロボットの回収を任務とする警視庁内の極秘チームが存在する。その部署に配属された刑事は、自分を護る人間型警備ロボットの青年とリスの着ぐるみを着たマスコットのような小ぶりなロボットSHIMAと出会う。
内戦終結後にロボットのマスターが都内に潜伏せよという命令を未だ守るロボットたちが回収されていない現状。見目が麗しいなどの理由から金持ちの好事家などに匿われている場合がほとんどということでなかなか居場所が特定できないのが理由のよう。
表紙にいるリス着ぐるみを着たロボットSHIMAを見るに、「しゅんにゃん」のスピンオフ作品といっていいのかな?ロボット製作会社も同じ企業みたいだし。先にしゅんにゃんを見るとちょっとギャップに驚くとともにマスコットみたいなロボットがハードボイルドなキャラにしっくりきているのも驚く。
設定だけ見るとハードボイルドだけど絵柄と作風とロボットはみな美形とかマスコット的なキャラもいたりで若干ゆるめなノリ。アクションや陰謀とかというよりロボットたちの存在意義とか、それを見るちょっと間の抜けたというか裏表のない感のあるキャラの主人公との関わりなどを含めたドラマのほうが肝だからか。
思ったより構成とか設定はよく出来ていると思う。主人公の捜査における役どころとか当人がそれをよくわかってなかったところとか。まあSHIMAが可愛いの一言に尽きる話でもあるかもしれない(笑)

祀木円
KCITAN(KCx)全2巻 / 講談社
ジャンル:少女・ドラマ・ハードボイルド / 好み度:★★★★☆

ひねくれ司書の未解決事件録 木梨るなむ

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直筆の文字から書いた人間の見た情景を視ることができる私立図書館司書にして本の修復家の青年の話。
なじみの刑事が難事件の遺留品を司書に見せて事件の真相を追及する、という構図のサスペンスドラマもの。物から持ち主の意識を読み取る能力って名前ついてたよね。度忘れしたけど。1
話完結形式で推理ものとしては可もなく不可もなく。ミステリが好きだけど濃いのは苦手という人にはいい塩梅かと。
絵はうまいわけではないが線がはっきりしている分読みにくくはない。もやっとするオチの話もあったがその辺は好みの問題か。

木梨るなむ
マッグガーデンコミックスアヴァルスシリーズ全2巻 / マッグガーデン
ジャンル:少女・ミステリ / 好み度:★★★☆☆

あなたの世界で終わりたい あおのなち

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表題作ほかGoodbye my god・僕等の破片・Mr.wonderland・貴女の世界で終わりたいを収録したセンシティブファンタジー作品集。
Goodbye my godは、不登校のクラスメイトは堕ちた天使でした、という話。どこか諦観も持つ学級委員の女子と天使の男子のやりとりが描かれている。詰まっちゃってあがいてる透明な叫びみたいな印象を受ける。
僕等の破片は、マイノリティの兄はかわいい妹の恋愛相談を受けている中、自分のしょっぱい恋愛遍歴を回想する。オチが効いている。
Mr.wonderlandは愛猫を失った少女のある視点で描かれる話。題名通り、と言おうか不思議の国のアリス的な内容。ストーリーは正直くみ取れないのだが絵面はなんか好き。
貴女の世界で終わりたいは表題作なだけに収録作の中で一番の長編。とある女子高に通う死にたい願望があるヒロインと、吸血の鬼の青年の話。どこか似た空虚なふたりの茫洋としたやりとりで話は進む。ヒロインのモノローグ、青年の廃頽した生活環境、まずくて飲みたくないのに飲まないと生きていけないジレンマの描写が印象的だった。

あおのなち
IDコミックス全1巻 / 一迅社
ジャンル:少女・ドラマ・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆

アデライトの花 TONO 

名家を舞台にした愛憎群像劇とパンデミックオカルトストーリー。
西欧風文化の国の名家・ハント家が舞台。

未成年の長男は他人のほとんどが動物の姿に見え、自分の母と姉のみ。
家の状況を描く中で登場する、母が哀れみで雇った不潔な女中も獣の姿に見える。
そんな中、父の二番目の妻として南国からアデライトがやってくる。
長男にはアデライトも後に生まれるその息子も人間に見える。
二番目の妻とは言うが、実は家同士で婚約を交わしていた相手で、
当主はそれを破って現在の妻と結婚した経緯がある。アデライトはその事実を知らず
輿入れしてきており、故郷にも帰れないので別棟で二番目の妻として
暮らすことに、というかんじ。そしてアデライトにも息子が生まれる。
しばらくしてアデライトは彼女の病に伏せる。彼女の故郷の風土病で故郷では風邪の
ようなありふれた病ゆえ医者も楽観視していたのだが・・というあたりで話が動く。
当主・当主の妻・母・長男・長女、召使いたち、当主の二番目の妻とその子が織りなす群像劇
であり、ジワジワと病が浸食していく過程が描かれるパンデミックものでもある。
エンタメでないさりげない演出にリアリティのある描写、長男の視点という設定で
登場人物が獣と人に分けられているのが興味深い。その違いの尺度は何なんだろう。
あと病の明確な症状に花を使う設定がうまいなあ。綺麗な花と香りが死に直結してるという。
物語の視点は次々と変わり、各々の心情が描かれていく。
エピソードの1つ1つが、フィクションの世界でありながらとても身近に感じることが
多いのも印象的だった。残酷なことも日常的なことも含めて。
著者いわく物語のヒロインという、召使いの女性の描写がまたリアル。
彼女は異臭で周囲から嫌われていたがその理由もきっちり描いてるのが印象深かった。
1巻のあとがき読んで、ええヒロインなん?とちょっと驚いた。
家の中の一連の出来事の傍観者という立ち位置なのかなあとは思ったけど。

Nemuki+コミックス1~ / 朝日新聞出版
ジャンル:女性・ドラマ /好み度:★★★★★

ニブンノワン!王子 中村世子

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平凡な女子高生は半人半犬な異国の王子様の婚約者になることに・・?ファンタジーの国の王子と平凡な現代少女のシンデレラストーリー。
犬の散歩中だった主人公の女子高生は、異国風の美男子に出会い拾おうとした腕輪をつけるのか高飛車に聞かれる。パニックになって逃げ出すが、彼は王子で件の腕輪をつけた人間と結婚するのだとういうのだが。
異国、というか異世界から嫁を探しにきた王子と主人公が恋仲になる話。ファンタジーの国からやってきた王子は先祖返り?的な要因から犬の姿にもなる半人半犬という設定がついている。ほぼ1話目で相思相愛の仲になるが様々な状況や人間関係における立ち位置などにより順風満帆ではなく、それにより二人の絆は深まる、ってな展開の模様。なのでそれなりにこころ穏やかに読めるタイプだった。というか安定の花とゆめ系恋愛物語といえる。
主人公は、お話のお姫様は美人だから嫁に迎えられた、というひっかかりを持っていたゆえに素直になれず、王子は恋愛に関してはある意味見た目と真逆の純粋というか天然というかな気質、という設定が興味深い。

中村世子
花とゆめコミックス全7巻 / 白泉社
ジャンル:少女・恋愛 / 好み度:★★★☆☆

千歳ヲチコチ D・キッサン

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時は平安時代。風変わりな姫・チコが友人に充てた文が行方不明となり、その文を偶然拾った貴族男子・亨はその文に魅かれ戯れに返歌をする。ここから始まるふたりの物語と、ふたりを取り巻く平安の貴族たちの暮らしや出来事をまったりと描く物語。

平安時代のお話。といっても時代考証バリバリの雅~な感じではなくポップでゆるい作風。
ヒロインは、家柄は中堅・容姿は当時の美人の要素とはちょっと外れておりかつ一般的な女性とはちょっと感覚が違う姫。虫が好きないわゆる「虫愛ずる姫」で思考が理系っぽいというか自然事象に素朴な疑問を持つタイプ。風変わりなヒロインを疎む人物が周囲におらず、親しい友人や掛け値なしに愛情を注ぐ乳母や教育係の家族に恵まれおっとりとまっすぐな性格に育ったという印象ですね。
そんなヒロインが友人に充てた文が行方不明になり、貴族男子が文を拾い読んだところなんとなく心に響くものがあり戯れに返歌をする、というところから物語ははじまります。貴族男子はけっこう高い家柄だけど若い割に生真面目というかちょっと世を悟ったタイプ。仕事もキャリア組ルートでいけるけどあえてたたき上げ組ルートで、というかんじ。
たやすく男女があいまみえられない時代、少女漫画でいうところの偶然という名の運命的なきっかけなんだけどこの話の面白いところは、すぐに運命的きっかけをクローズアップすることなく、姫と男子、各々の周辺の人物とのやりとりとか暮らしというかを交互に描いていくところですかね。1巻終了時点できっかけの文のやりとり以外二人の接点が全くないという今時珍しい構成。
人物同士の会話に出てくる言葉や、やりとりのノリは現代風な要素ばかりですが、平安時代独特の文化や風俗や貴族たちの暮らしの風景や催事・行事といったところは考証に準じていると思われます。平安時代の習慣とか初めて知ったことも多かったです。
なんというか、ただまったりとゆるい話ばかりでなくドラマチックな展開もあるんだけど漫画的大仰さがないというか人々の暮らしの中の自然と言うかありえそうな雰囲気が良いですね。どの登場人物も活き活きとして嫌いなキャラが全くいないってのも好みでした。人物の言動などコメディのノリもとにかく笑えるというかツボにはいりまくりでした。
ごく普通の暮らしの中でいろんな人との出会いといろんな出来事を経て成長していく二人。ちょっとずつ、ちょっとずつ、ふたりの縁が近づいていく過程を堪能できます。まさしくちょっと風変わりな平安物語。超おすすめです。

D・キッサン
ゼロサムコミックス全8巻 / 一迅社
ジャンル:少女・時代・コメディ / 好み度:★★★★★

執事たちの沈黙 桜田雛 


執事たちの沈黙 (フラワーコミックス)

ワガママお嬢様の専属執事である従順な青年はプライベートでは女と博打(パチンコ)が好きなゲス青年。
ある日プライベートで勤め先のお嬢様がひったくり被害に遭ったところに遭遇し成り行きで助けたところ、風貌が違いすぎるゆえか自分の執事だと気づかぬお嬢様に気に入られてしまい、という話ドタバタラブコメ。
お嬢様の心を奪った(笑)となれば高給職の解雇どころか雇用主に殺されかねずお嬢様の興味を自分から逸らそう悪戦苦闘する執事。
だが、お嬢様は、執事の時の自分への態度と違って律儀で一途で可愛いばかりで・・つい手を出してみては我に返ってと、執事青年のぐるぐる迷いに迷う言動が滑稽で面白い。
恋は盲目、勘違い、視野が狭まりとらわれる、そんな言葉が駆け巡る。著者の作品の男性はシリアスでもコメディでもベクトルは違えど個性が強烈だよなあ。いろんな意味で印象的を通り越して衝撃的という言葉が似合う。ほんと好き(笑)

桜田雛
フラワーコミックス1~ / 小学館
ジャンル:少女・ラブコメ / 好み度:★★★★★