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わがままちえちゃん 志村貴子 


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「ちえ」と「さほ」という思春期の双子の女子の日々と思いを描いた不可思議物語。
母がかつて就学した女子中学の入学を待ちわびるさほは、同じ学校の制服を
着る少女と出会う。彼女は幽霊で名前はちえで、さほの早逝した姉だという。
そんな始まり。ヒロインと彼女だけが見える双子の姉の幽霊との日常においての
交流かと思ったらさもあらず。話が進むにつれてひっくり返るような錯覚を覚える
展開と夢の断片のような演出が続く。
アメイジングストーリーとか世にも奇妙な物語というかそんなかんじ。
おそらくはほとんど主要人物の主観的視点から物語を展開しているので
客観的事実はどれなのかが不明瞭で読み手を迷わせる構成なのかも。
てか私の読み方が浅くて混乱しているだけの可能性が高いんだけど。
ミステリやサスペンスにしろ恋愛ものにしろ叙情的物語にしろ
双子が主題の話はいつもこんがらがるので(汗)
なんどもなんども読み返し、登場人物の台詞や視点を検証し
それなりの着地点を見いだしたくなる話だった。
実験的かつ迷宮的感覚を味わいたい人にはおすすめ。
さすが著者の力量は高いなと感じた作品の1つ。

志村貴子
ビームコミックス全1巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★★☆

向ヒ兎堂日記 鷹野久 


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時は明治。文明開化に伴い、妖怪関連の流布や知識を禁止する条例が発令され、
怪談を扱う書物も禁書となった日本。
その禁書の怪談本を秘かに扱う向ヒ兎堂の店主と妖怪達の物語。
店主の青年は妖怪に憑かれており常人では見えない妖怪も見える体質で、
書店の従業員たる女子は妖怪。他にも仲間の妖怪達がいる。
生きづらくなった妖怪にとって救いとなるよう
彼らは書店を妖怪のよろず相談所とすることになる。
まあ妖怪絡みの事件に関わり解決していく系の話かな。
また怪談・妖怪を取り締まる側は元陰陽師が多く、怪談本を集めるのは
何かしらの目的があることが示唆される。
妖怪を題材にする話としてはわりと王道だが、興味をそそる話の組み方かと。
繊細な筆致で癖のない絵柄。好み。

鷹野久
バンチコミックス全8巻 / 新潮社
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆

ドン・キホーテ 河田雄志 / 行徒 


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ミゲル・デ・セルバンテスの小説ドン・キホーテが原案。
スペインのラ・マンチャに暮らすアロンソは、働かず鍛え騎士道に身を捧げる残念な四十路男性。
騎士道物語に傾倒しすっとんきょうな訓練で体を鍛え、本物の岸を目指して旅に出ることにする。
周囲の面々の冷ややかな目にも気にもとめず忠告も聞かず、黙々と自分の世界を構築する様は
中二病とか騎士オタクという言葉が駆け巡る。
日本だと自分は忍者だと忍の家系でもないのに独自の修業してる人みたいなもんか。
原作にもいる従者サンチョもいる。美少年。つか主人公も行動はアレだけどイケメンよな。
画面的には一見中世の世界における勧善懲悪活劇な話ぽいのだ。というのも台詞を読むと
不毛なボケツッコミや会話なのだがコメディには鉄板の顔芸がなくて
キャラの表情がギャグ的に崩れず美麗な顔のまま。その辺のギャップが
面白い要素なんだと思う。この原作と作画者のいつもの作風なんだけども。
中世欧州の世界観を忠実に描く作画の力量もすごいと思う。
欺されたと思って一度読んでみてくださいと言ってみたい作品。

原作:河田雄志 / 作画:行徒/原案:ミゲル・デ・セルバンテス
バンチコミックス全2巻 / 新潮社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★☆☆

片桐くん家に猫がいる 吉川景都 


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亡き祖父が飼っていた猫を引き継ぐため祖父の家にそのまま引っ越ししたサラリーマン。
祖父の家に住み始めてしばらく後、子猫を拾い元々の飼い猫に加え3匹の猫と主人公と
主人公の勤め先の同僚たちとの交流を描いた日常系猫漫画。
猫がメインの話だが主人公は人間のストーリー漫画形式。
おそらくは著者の経験談を元ネタにフィクションを舞台にして描かれている。
先住猫と新入猫のお見合いの話など猫飼いにはあるあるネタが満載だった。
著者の猫漫画は自然というか可愛いなあといつも思う。
人間のほうのドラマもわりと丁寧に作っているように思う。

吉川景都
バンチコミックスエクストラ全7巻 / 新潮社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★☆☆

女子かう生 若井ケン 


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残念系美人女子のももこ、クール系メガネ女子のしぶみ、癒やし系ちっちゃい女子まゆみの女子高生3人組の楽しくもありふれた学校生活や日常をまったり描いたサイレント漫画。
登校前の身だしなみの様子、ラッキーアイテムにあやかったモノを持ち歩いてみたり、ちょっとした遊びをやってみたり、暑い日の扇風機との戯れなどなど、何気ない日常の一コマを切り出してみたって感じの内容。
特徴として登場人物の台詞はほとんどなく、オノマトペのみで描写されている。
会話がなくとも話がわかる(擬音はあるけど)ので言葉がわからなくても読めるってのは良い。
漫画黎明期ではけっこうあったんだろうけど今はほとんど見られないですね。
サイレントで出来る物語展開で読者を惹きつけるのにかなり技術が必要だからだろうなあ。
予測が付かないほど自由、でもほっこりする行動ばかりのももこさん、クール系だけどたまに見せる表情が萌えるしぶみさん、とにかく可愛いの一言に尽きるまゆみちゃん。どのキャラも愛おしい。
お勧めです。

若井ケン
アクションコミックス1~ / 双葉社
ジャンル:青年・学園・日常 / 好み度:★★★★★


イモムシのおよめさん 吉元ますめ短篇集をAmazonで見る

妖精や虫たちが花の社会を形成する童話のような世界。
ヒロインは純血を保った妖精で貴重な存在なのだが、実家が没落し、
自動車メーカーの社長の息子との政略結婚が決まる。
で、その息子(というか社長一族)は芋虫なわけで。
文字通り蝶よ花よと育てられたヒロインは我儘な気質。
我儘っぷりはほんとに世間知らずで社会性が乏しいのも起因している印象。
相手の息子は気乗りはしないが逆らいもせず、破談でいいとも思っているが
周囲の状況が許さず、なし崩しというかだまし討ちみたいに結婚に至る。
ヒロインのボーイフレンド、芋虫の夫、護衛のカマキリさんなど、
結婚前も結婚後もヒロインのマイウェイな言動に振り回されつつも
彼女を許容するかんじ。
ヒロイン当人も嫌な結婚だったが、なんというかその悲劇の状況に置かれた
悲劇のヒロインに酔っている面もあるかんじで悲壮感がない。
ヒロインは我儘ではあるが性根がねじれていない真っ直ぐさを感じるので嫌悪感はない。
あれか、こどもの癇癪や駄々みたいなもんか。良くも悪くも自分に正直。
はた迷惑なヒロインのドタバタ劇としては巧いと思う。
本編のほか、短編二編・ポホドリー広場にて・輝け!のたなべ高校演劇部を収録。

吉元ますめ
MFコミックスフラッパーシリーズ全1巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★☆

ラーメン大好き小泉さん 鳴見なる 


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転校生のクールな美少女小泉さんは無類のラーメンマニアだった。
一言で言うと女子高生がラーメンを食べる漫画。
天真爛漫な女子高生・悠は、転校生の小泉さんをラーメン店の行列で発見する。
美人な小泉さんと友達になりたいけどクールで他者との関心が薄くてなかなか
話しかけられなかったけど・・と彼女の元に行って話しかけると、いつの間にか
彼女とともにラーメン店に入りとなりで食べるコトに・・、というはじまり。
小泉さんは主人公だが、話の狂言回しは悠や悠の友人達というかんじ。
小泉さんはラーメンが大好きで、ラーメン店通い率も知識量と蘊蓄の幅もかなり高く、
ラーメンのこととなると相手が誰であろうが話がとまらないキャラ。
ひょんなことから小泉さんといっしょにラーメンを食べるキャラとの絡みがメインかな。
小泉さんひとりで食べる話もあるが。
登場人物が食べるラーメンやラーメン蘊蓄は実在するお店や商品を基にしている。
東京近郊が舞台なのでほとんど東京周辺のラーメン店の話なのだが、
たまに地方ネタもある。
かわいい女子たちがラーメンを食べる絵面は可愛いし、ラーメンほんとおいしそう、
と感じる。主題の魅力が十二分に出ているタイトルだと思う。
小泉さんのクールな言動にめげない悠さんのスピリッツにはエールを送りたい。

鳴見なる
バンブーコミックス / 竹書房
ジャンル:青年・グルメ・コメディ / 好み度:★★★★★

夢源氏剣祭文 皇なつき/小池一夫 


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立身出世のためと都に行った父を追って旅をする母娘。
だがその途中で母は倒れ、幼い娘は鬼と出会い改心させるも
襲われた際に耳をちぎられたことから遠くない未来に鬼となる運命を背負う。
それでも少女は父のいる都を目指す中、山姥と彼の息子や盗賊の頭と出会う。
藤原秀郷・山姥・金太郎・袴垂保輔、そしておそらくは茨木童子。
実在の人物及び伝説の存在を登場させる平安の世を舞台にした御伽物語。
絵柄、画面構成、筆致など、昔の絵草紙そのままのような風情。
話がよくわからなくても絵を眺めるだけでも良い気がする。お勧め。
平安時代というと貴族の煌びやかな印象が多いが外ではこういう感じだったんだろう。
あと平安時代といっても長いしなあ。藤原を名乗っても出世出来るのは人握り
って頃だったのかな。歴史は疎いんでズレてたらすみません;;

原作:小池一夫 / 絵師:皇なつき
カドカワコミックス2巻 / 角川書店
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★☆

千と万 関谷あさみ 


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父親と中一の娘、親子二人暮らしの何気ない日常を描いた話。
親子の関係はまあ普通。べったりな訳でもないが悪くもない。
親子というかそれなりに気の合う年の差相棒というかんじも。
喧嘩は父親のデリカシーのなさに娘が怒るパターンが多いかなあ。
思春期の女子は父親が煩わしい時も多々あるもんかな?
でもまあこの父親の性格だと娘の気持ちもわからんでも(笑)
元々の気質なのか、娘の言動は割り切りが良いというか
なんのかのと周囲を見ていて自分の主張もはっきりしてるなあと。
主役の親子の他、娘の友人とかの話もあったりする。
絵が巧くて何気ない日常の所作の画が絶妙だなと感じた。
娘の初潮の話とか淡々とした展開にけっこうリアリティあるかも。
デリケートな話を飄々とする父親と娘の様子が印象的だった。

関谷あさみ
アクションコミックス全3巻 / 双葉社
ジャンル:青年・日常・家族 / 好み度:★★★★☆

ニンジャスレイヤー わらいなく 


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原作はアメリカ人二人の作家による小説らしい。
第一部ネオサイタマ炎上編のコミカライズ。
ニンジャに妻子を殺された男性はニンジャスレイヤーとなり復讐を誓う。
ってのが大筋。大変にわかりやすい。
アメリカ人から見るニンジャ同士のバトルアクションが主軸。
架空の日本を舞台にしているが都市や団体・組織などの舞台設定と演出が突き抜けている。
けっこう未来が舞台設定のようでいろんなメカとかバイオ技術とかが出てくる。
画面はまさにサイバーパンクニンジャ活劇。
日本の印象って外国から斜め解釈満載で見るとこうなるのかと中々に興味深い。
語句の使い方など、完全に間違ってはいないけど違うんだよな~って微妙な
ラインがたまりませんよ。布団のくだりはシリアスなのに笑ってしまった;
主人公はこれ以上ないステレオタイプのニンジャだが女子高生とかアフロとか
けっこういろんなキャラが居るし、ノリがシリアスだったりコメディだったり
風刺が入っていたりといろいろ多岐に渡っていてエンタメとして十二分に楽しめる。
前知識なく読んだので1ページ目から開いた口のまま読み進めてしまった。
実は比喩表現でない。それくらいの衝撃のタイトル。
アメコミのノリを踏襲しつつ美麗なアクション画面を繰り出す作画者の力量には拍手しかない。


原作:ブラッドレー・ボンド/フィリップ・ニンジャ・モーゼズ
漫画:わらいなく
角川コミックスエース14巻 / 角川書店
ジャンル:少年・サイバー活劇 / 好み度:★★★★★

鋼鉄奇士シュヴァリオン 嵐田佐和子 


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悪の組織を滅した後の正義のヒーローたち5人。
4人は社会で普通に暮らしているのだがリーダーのレッドだけは違っていた。
というのも戦いから1年がすぎてもスーツが脱げないというか変身が解けていない。
また変身中の超常的な腕力があるため社会的に迷惑になったり日常生活に支障が出る始末。
当の本人はままならない状況にも暢気に生きているが、かつての仲間たちと彼らのトップは
彼を戻そうと奔走するのだが・・というはじまり。
仲間達は、グラビアアイドルになった紅一点の女性、モデルになった青年、
婦人警官になった女子、学生の男子。そんな彼らと主人公のドタバタ劇。
喜劇悲劇をコミカルに描いているがギャグに走るだけでなく、
変身戦隊五人組特撮系にあるあるな設定や展開を踏襲しつつ
ドラマ性というか人間模様的な面もきっちり描いている。
宇宙人?の指令官が渡す手紙を破くと変身できるという設定とかが
個人的にちょっとツボだった。

嵐田佐和子
ビームコミックス全4巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・コメディドラマ / 好み度:★★★★☆

超可動ガールシリーズ ÖYSTER 


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オタク社会人男性は一人暮らしを始めたのを機に
自分が大好きなアニメのキャラのフィギュアを購入する。
するとそのフィギュアが動き出し意思もある。
フィギュア少女は物語のある時期以前の記憶のみで
当人もどうしてここにいるのか状況がつかめなかったが
自分がフィギュアであり、男性に好かれていると思い
そのまま同居することになる。
動くフィギュアも後々増え、主人公以外にも動くフィギュア
を持つ者も登場、どんどん賑やかになっていく。
まあオタ的ファンタジー設定の日常ラブコメといったところか。
エピソードがワンパターンにならず飽きが来ないあたりはさすが。
フィギュア女子たちの存在するアニメやゲームに関わる話がけっこう面白かった。
それなりにお色気エピソードもあるけど絵柄的にあんまエロくない(笑)
続編シリーズとして超可動ガールも出ている。
2シリーズ目の題名が無印・・。1シリーズ目と2シリーズ目のタイトルが
逆っぽいと思ったのは私だけだろうか。

ÖYSTER
超可動ガール1/6全4巻 / 超可動ガール3巻
アクションコミックス / 双葉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★

祓ってませんよ? カガミツキ 


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幼少時から霊が見えることでぼっち生活を余儀なくされた女子。
高校入学をきっかけに普通の生活を望むが、高校でも霊に遭遇。
彼女は霊を祓う・・のではなく八つ当たりのごとく強烈な説教や
罵倒を霊に行う。彼女の言葉がなぜか霊を成仏させてしまうのだ。
その様子を見ていた男子はヒロインの霊を力強く祓う姿に惚れ込み彼女に傾倒する。
というのも男子は神社の跡継ぎで霊視はできるけど除霊ができないからのよう。
友達は欲しいけど霊を祓う姿が見たいとかちょっと特殊ぽい性癖
を垣間見せる男子にげんなりしつつ、またちょい天然系の女子とも知り合い、
霊絡みのドタバタ劇が展開されていく。
登場人物も霊も個性的というかけっこう突き抜けたキャラゆえに
ドタバタ具合もけっこう濃い。全体的にテンションは高いが
さほど世知辛くないゆるいノリなのも良い。素で面白いと感じたタイトル。

カガミツキ
フラッパーコミックス全2巻 /メディアファクトリー
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★☆

恋する民俗学者 大塚英志×中島千晴 


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日本初の民俗学者・柳田國男の恋愛を中心とした半生を描いた物語。
関西にいた幼少期から始まる彼の人生の軌跡を描く。
史実を基にしているので作品全体としては非常に地味。
ただ彼が生きた当時の世相・常識などが自然体で丁寧に描かれているように思う。
1巻目では彼はまだ民俗学者でなく、名字も松岡で、当時の名だたる文豪と交流が合った模様。
特に田山花袋との交流が描かれていて、花袋の目線で物語が展開されているところもある。
この話って花袋の作品が基になってる?違っていたらごめんなさい。
題名に恋するとあるだけに恋愛エピソードもあるのだが、
生家時代の幼馴染みの女性と、彼が遠くから思いを馳せているような女性のみなんだよなあ。
このあたりの描写もその時代っぽいなあと思う。
物語の端々に彼が詠んだであろう詩が挟み込まれているが、
正直、詩には全くわからないわ、当時のかなづかいなので意味がさっぱりだわ;;
所見当時、なんで柳田國男だ題材なんだろうと思っていのだが
原作者が主題する理由というか縁を後で知った。
次の巻のエピソードから民俗学者の側面が出るのかなと思っていたが
続刊が出ていないみたい・・。

大塚英志×中島千晴
角川コミックスエース1巻 / 角川書店
ジャンル:青年・伝記・ドラマ / 好み度:★★★☆☆


月嶋教授の"世界の成り立ち"を考える をAmazonで見る

「神話学」という学問がある世界の日本。その神話学を学びたいと思っている主人公の少年は、その筋の権威とされる教授と出会ったことから、「世界の成り立ち」に関わっていくことになる。
一般的に見られる生物をアウターと呼称するのに対し、人の内部に入り込む生物をインナーと呼ぶ。
特徴を言葉で表すと同じだがその姿は全く違うし、インナーは人間の内側に入り込み悪さをするみたいなかんじ。うーん説明が下手ですいません;
ネタバレになりますが、主人公は人類の記憶を正確に保持しており、件のインナーの姿を認識できるゆえに、インナーの蒐集と世界の成り立ちを知りたい教授に、いいように関わらせられている印象。
インナーの造形は印象的というかクリーチャー?デザインとしては好きかも。
教授は黒いです。主人公、教授尊敬してるけど自分の関心事以外の冷酷さが突き抜けてます。ちなみに教授の秘書?の美女3人もアレなファンタジー設定あり。
いろいろと飲み込みづらいファンタジー設定てんこ盛りだけど読み進めて行けたのは、原作者の作品のノリにに慣れているせいなのか。本当に良くも悪くもあかほり節だなあという(笑)胡散臭い男性キャラに普通じゃない美女3人の図とか懐かしいの(笑)
それにしても主人公は美少女と見まごうほどの可愛らしい風貌という設定には意味があるのか・・。
いろんな意味でツッコミ所ばかりですが、あかほり原作作品ではけっこう楽しめたタイトルでした。
設定だけ提供でほぼ作画担当の構成なのかもしれないけども。

漫画:扶持田一寛/原作:あかほりさとる
リュウコミックス全3巻 / 徳間書店
ジャンル:青年・ダークファンタジー / 好み度:★★★★☆

亜人ちゃんは語りたい ペトス 


亜人ちゃんは語りたい (ヤンマガKCスペシャル)

サキュバスやバンパイアなどとの特別な性質を持つ人間は亜人と呼ばれ、
かつて迫害された時代もあったが現在は差別なく社会的に認められている存在。
そんな時代というか世界の、日本の普通の高校に通う亜人の生徒たちと亜人に興味を持つ生物教師のお話。
主人公の生物教師の男性は、かつて大学でも亜人の研究を望むほどに亜人に興味を持つ人物。
とはいえ倫理的な問題もあるなどでその望みは叶わなかった。そんな彼が生物教師として
赴任した高校で、絶対数が少なく会うことのないだろう亜人の女子学生が数人在籍していた。
研究対象としての興味も兼ねているとはいえ、亜人の生徒たちの悩みを生徒を導く教師として、
試行錯誤ながらも真摯に向き合っているところが良い。
もっていきかたによっては重いテーマになりかねないがそこは社会全体ではなく
学校という枠の中で作られているところが巧い。
また、亜人特有の生態と、思春期の人間特有の悩みや交流などの組み合わせも秀逸。
学術的な興味を見せつつも暴走しないよう、相手を傷つけないように配慮し、
よりよい方向に行くように試行錯誤と探求する過程はほっこりとする。
ゆるさばかりでなく適度にシビアな面も出していくので絶妙なリアリティも醸し出す。
あらゆる要素のバランスが良く、またどの登場人物も好ましいキャラゆえに安心して読める良作。

ペトス
ヤングマガジンコミックス1~ / 講談社
ジャンル:青年・学園・ファンタジー / 好み度:★★★★★おすすめ

明日もコトコト 犬上すくね 


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洒落たカフェの女主人と幼馴染みの年下男子の物語。
舞台設定というか人物相関が少々複雑。
舞台は昔から営業しているご近所の常連さんに愛される系のカフェ。
現店主は清楚な美人。元々は彼女の父母がやっていたが鬼籍に入ったので
娘が継いだ形。また常連が主体の経営なので営業時間は決まってはいるけど
営業時間と休憩時間が細かく別れている。
朝の時間帯には、カフェ店主が家ぐるみでつきあいがあった店の真裏にある
家の住人が朝食を摂りに来る。食事代を勉強するかわりに
その家の男子高校生が店を手伝っている、という設定。
男子高校生もカフェ店主も互いに好意はあるが恋心と自覚していない状況で、
風邪の介抱とか男子高校生が好きな女子の登場とかカフェ店主にアプローチをする
飲食業の男性とかを通して双方に意識させていく構成のよう。
女性漫画あるいは少女漫画的な内容だが、舞台背景と日々の生活においての
地に足がついたしっかりとした設定と大仰な演出を使わずドラマティックに
魅せる著者の作風は秀逸だなと感じた。幕間の4コマも面白い。

犬上すくね
バンブーコミックス全3巻 / 竹書房
ジャンル:青年・恋愛 / 好み度:★★★☆☆

書生葛木信二郎の日常 倉田三ノ路 


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大正時代・帝都東京。立地は良いけど目立たない古い木造の下宿屋がある。
彼の祖母が管理人の少女と友人という伝手で
書生の青年は件の下宿屋に住まいを置くことになる。
どうも主人公は初めての「人間」の下宿人とのこと。
他の住人は所謂妖怪で、管理人も少女も狸の妖怪っぽい。
といっても祖母が巫女の血筋か主人公も見える人。
妖怪たちとのつきあいもそこそこ慣れている。
そんな主人公が関わる妖怪がらみの事件や
下宿屋の面々や他の妖怪や人間たちとの交流を描いた話。
シリアスな話からほのぼのとした話まで多様だが、
おおむね読後感の良い内容になっている。
シリアス話は死人が出る悲しい話が多いけどね。
絵はシャープな筆致、デッサンも達者で読みやすい。

倉田三ノ路
サンデーGXコミックス全8巻 / 小学館
ジャンル:青年・ファンタジー・ドラマ / 好み度:★★★★☆

ちおちゃんの通学路 川崎直孝 


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主人公の女子高生ちおちゃんが登下校中に起こしたり遭遇した奇想天外な
エピソードを綴った学園ギャグコメディ。
登下校に焦点を当てた珍しい題材に加え、主人公は言うに及ばず
主人公以外も個性が突き抜けたキャラなのが魅力。
初回は寝坊し遅刻ギリギリの中、通行止に遭遇、
遅刻回避のためアクションゲーム?のように強引に道なき道を進むという内容。
ただ道を進むだけでなく途中で起こるイベントがいちいち強烈で面白い。
キャラのテンパりがすごいモノローグとたたみかけるようなアクションと
切羽詰まった局面での緊張感の描写が見事すぎる。
主人公、一見どんくさそうな印象だったがかなり運動能力高いよね。
1コ1コのエピソードがマンネリじゃないというかアプローチが違っていて
すごいなと感じた。

川崎直孝
MFコミックスフラッパーシリーズ全9巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・コメディ・学園 / 好み度:★★★★☆

上海白蛇亭奇譚 君塚祥 


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1927年の上海。唯一の自治権を持つ国際的自由都市は様々な人種や文化が
入り乱れている。その中には人ではない種族も密やかに存在している。
その都市の中で起こる奇異な事件を通して描かれる人外と人間の話というかんじ。
茶館・白蛇亭を営む若い女性と、館の上に階に下宿する変わり者の店子の中でも
特に変わった倭人の青年が主人公。ちなみに女性は半妖。
どの事件も人外や妖怪の類が関わり、それらに強い興味を持つ青年が
事件に首を突っ込み、女性もそれに関わる展開かな。
自由都市という雑多感とその中で描かれるドラマが軸のよう。
主題は重めでも作品全体は重々しさは少なめな印象。
後々シリアス展開になりそうではあるが。

君塚祥
バンチコミックス全3巻 / 新潮社
ジャンル:青年・ファンタジー・ミステリ / 好み度:★★★★☆