あしがる ゴツボ×リュウジ 

高校の入学式当日、遅刻した主人公の新入生女子は同じく遅刻中で新入生のサッカーボールを蹴る女子と遭遇する。大変わかりやすい理由で高校デビューを目論む主人公は、別のベクトルで高校入学を機に変わりたいと臨む相手と意気投合し、サッカーでデビューを果たそうとするのだが。
著者のカラー全開の女子サッカー青春学園コメディ。
望みに向けて方向性はともかく情熱は一直線が傍目から見ても明白なかしましい主人公と、一見クールなボーイッシュ美少女だけど変化を望むが未練もたらたらのサッカー女子の対比が絶妙だし、主人公が一目で憧れる男性教諭、主人公の友人達ともなんとはなしにゆるいというか軽いというか適当さが多分にあるキャラが良い。
相変わらず退屈できないたたみかけるような人物同士の掛け合いとセンスの良い軽快なネームが好み。
展開が行き当たりばったりなような勢いがあるが、このへんちゃんと計算されているんだろうなあ。
著者は男子サッカーを主題とした作品を発表しているがこの作品はリンクしているのかな?
前作の高校名とかキャラ名とか全く覚えてない。ごめん;舞台は同じく琵琶湖の北のようだが。
気軽に読めてコスパが良い、楽しい時に覚えるワックワクする高揚感を堪能出来る。

ゴツボ×リュウジ
角川コミックスエース全3巻 / 角川書店
ジャンル:少年・コメディ / 好み度:★★★★☆

はらぺこうさぎと恋するオオカミ 神田猫 

強面の社長秘書の青年と貧乏勤労青年のお話。
可愛い物が好きだけど、強面な風貌ゆえにその対象には避けられがちな
社長秘書の青年は、社長のお使いの途中、脱走したらしき、うさぎを捕まえる。
そのうさぎを捜していたのは、うさぎカフェで働く極貧勤労学生の青年。
青年の腹の虫に思わず持っていた菓子を手渡す社長秘書、というきっかけから
二人の交流が始まる。
ほんわか純朴で健気な勤労学生の仕草と、それに胸がときめく(でも表情は堅いまま)の
社長秘書がとても可愛らしい。徐々に縮まる二人の距離の過程も良い。
絵は等身高めで麗美系だけど甘みがあり好み。
同時収録の猫かぶりとけなげな忠犬は、幼馴染みで同居人の二人の話。
身体の関係があるけど曖昧なふたりのお話、かな。
外面は良いけど、素は俺様な攻と、攻に翻弄されつつも憎めないワンコ系受の
カップルというかんじ。
こちらもキャラ設定がわかりやすく、なんのかのと相思相愛で変態要素もある
シチュエーションが見所か。
どちらの作品もカップルのやりとりが萌え所でした。BL描写の配分も好み。

神田猫
あすかコミックスCL-DX全1巻 / 角川書店
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★★☆

花子と寓話のテラー えすのサカエ 

口避け女・ベッドの下の男といった都市伝説の怪物たち。
本当にあるかもしれないと思った瞬間に、噂でしかなかった怪物立ちは現実となり脅威となる。
都市伝説に纏わるトラブルを解決する「寓話探偵」の青年と、相棒である「トイレの花子さん」
、そしてある事件から二人の事務所に加わる女子高生の物語。
都市伝説を主題としたホラーアクションといったところか。有名な都市伝説をモチーフとした
事件エピソードの後、探偵の青年や花子さんの過去や秘密、女子高生自身の話など突っ込んだ話
になっていく。
どの話も人の心の深淵が主題となっているのでやるせなさが残るラストが多めだが
ライトなノリのエピソードもあるにはある。どのエピソードも物語としては良く出来ていると思う。
未来日記より前の作品なので、絵の古めかしさがあるがこっちのほうが話はわかりやすかったかなあ。
話が佳境になっていくとけっこう複雑になっていくけども。
各エピソードの終わりに出るチューリップみたいな造形は物語の肝に繋がっている構成も心憎いかんじ。
余談の余談ですが、ベッドの下の男と試着室の人さらいの都市伝説は、口伝ではなく某漫画家の
同人誌のフリートークから知りました。事実ではなく都市伝説と知ったのは数年後で、
事実だと思い込んでいたのでびっくりした記憶があります。

完全版 花子と寓話のテラー
角川コミックスエース全3巻 / 角川書店
ジャンル:少年漫画・ホラーミステリ / 好み度:★★★☆☆

Flower他短文感想 

Spotted Flower 1 (楽園コミックス)Spotted Flower 1 (楽園コミックス)
ヲタクの夫と非ヲタの妊婦の妻の日常を描いたお話。基本、夫婦の会話とかやりとりとかがメインの限定された舞台で繰り広げられる。ヲタク男子が家庭を持った場合のとあるケースというかんじ?妊娠中の妻に振り回される夫、夫に趣味を貫かれる妻。夫キャラに対してまた妻キャラに対して、あるあると思ったりあちゃーと感じたりと双方の感じ方に微妙に共感してしまう不思議。構成的には妻側が主格っぽいけど内容は夫側っぽくもある。不思議。複数巻。

大きい女の子は好きですか? 1 (バンブーコミックス)大きい女の子は好きですか? 1 (バンブーコミックス)
姉にそそのかされ、大学女子バレーボール部の寮長兼監督となった青年と部員達によるスポ根&セクシー漫画といったところか。主人公は背が低いためほぼ背の高い部員達のおもちゃ状態。ラッキースケベ系というか、受難系というか。絵柄もあってわりとハートフルっぽい雰囲気。大柄女子と豊かな乳がお好みの人にはドストライクかと。複数巻。

転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス)
伏瀬 川上泰樹 みっつばー
転生したらスライムだった件をAmazonで検索する
社会人男性が事故で死んだらスライムに転生していました話。題名そのまんまですな。原作が世に出たとき、転生モノは人外に至ったかと感慨深かったなあ。人に転生じゃないので冒頭の自分の肉体と知覚の把握からはじまり、伝説の竜との出会いと友情など、わりとトントン拍子で世界に馴染んでいく。転生直前にチュートリアル音声が主人公を導くし、いわゆるチート系、なのかな。主人公の試行錯誤はあるがわりとストレスなくさくっと進んで行くので読みやすい。主人公の気質もあり、わりと呑気というかライトに読める印象。複数巻。★★★★★

蜘蛛ですが、なにか?(1) (角川コミックス・エース)
馬場翁 輝竜司
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女子高生がダンジョンに生息する蜘蛛モンスターの幼体として転生(誕生)したところから始まる話。転生したての状況も把握しきれなかったが現状を理解し生への執着からダンジョンで生き抜くことを決意する。ダンジョン内で蜘蛛モンスターである自身の能力・特徴をふまえ生き抜くための試行錯誤を重ね、満身創痍になってはレベルアップで全回復を重ね、徐々にたくましくなっていく主人公。まさにサバイバル。思わずがんばれと応援したくなる内容。転生も、死んだらこうなってた、というより何らかの作為?により転生しているようでそのあたりの伏線も気になるところ。レベルアップや進化の選択など説明的音声が耳に響き、ステータスが目視できるゲーム的設定なのだが、リセット不可の攻略本なしの攻略のようでドキドキする。順風満帆ではなく手探り状態で進むがそれだけに読み応えがある。あと1巻の段階でほぼ敵以外の他者と出会わないってのが特徴的。複数巻。★★★★★

転生したら剣でした (1) (バーズコミックス)
棚架ユウ 丸山朝ヲ るろお
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奴隷の獣人少女と剣に転生した現代青年が出会うとき物語がはじまる。転生先が無機物になった(笑)奴隷の身で不当な扱いを受けていた少女が、生きた剣と出会って、いろいろあって主人から解放される。剣の青年は自走はできるが魔力がなくなると動けないし剣の本懐はやはり剣士に使って貰ってこそだし、少女も強い剣士になりたいという望みがある。そんなこんなでギブ&テイクの関係が生まれ冒険が始まる少女と剣とのバディもの。絵はごちゃっとしているので若干読みづらいがじっくり読む分には気にならない。アイディアは面白いと思う。複数巻。★★★★☆

ナイツ&マジック 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
天酒之瓢(ヒーロー文庫/主婦の友社) 加藤拓弐 黒銀
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優秀なプログラマーでロボットオタクな社会人男性は事故により死亡、後に魔法とロボットが実在する世界の赤子として転生する。その世界では魔法を動力とした人型ロボットが騎士の鎧と剣として存在し、転生前にロボットオタクだった主人公の少年は、騎士になるため邁進する。心許せる友人ができたり、国家間の策謀や戦争に関わっていったりと中々に読み応えがある内容。魔法の構築がソフトプログラムと同じなど細々した設定をうまく組んでいるように思う。ヒロイックものとしても面白いし、国家間のエピソードも中々に現実味があるように思う。主人公のまっすぐなロボット熱は見ていて清々しい。複数巻。★★★★★

やたもも はらだ 

生活能力0のビッチ系受くんと面倒見の良い純朴青年のお話。
受くんがモモで攻くんが八田(ヤタ)で題名がやたもも。
ひょんなことからヤタがモモを拾って家に入れたら、フェラの代わりに居候させてくれと
言われ・・・というきっかけから始まったふたり。
モモはとにかく生活能力がなく、住所不定だし金を得る手段が自分の身体、という自堕落というか
その日暮らし気質というかなキャラ。
つっても色情が高いというより生きる金が入り用なときは、代価がセックスしかないし
まあ嫌いじゃないしという印象なのでビッチというのはちょっと違う気がしないでもない。
悲壮感もないしあっけらかんとしているというかいじけていないっぽいとこがいい。
ハードな環境を生きる手段、と思うと切なくなるところも含めて。
一方、日常生活においては面倒見が良くモモにも甲斐甲斐しく、何のかんのとベタ惚れになっている
ヤタは、絶倫で事後はモモがへっとへとというギャップが萌える。
そういう設定なのでBL描写はけっこう多め。擬音が多く臨場感があるタイプだが
構図など変化を持たせていて描写に飽きることはない。
絵がスタイリッシュだからくどく感じないのかな。
肉体交渉はディープだけどメンタルは純愛物語。ベタすぎずシリアス一辺倒でなく
アンダーグラウンド的要素をふんわりと乗せている作風は好み。
一話目で今現在を描き、その後過去編に行く構成。まあ読み切りから始まったからのよう。
1巻表記がないので単巻かと思ったら続刊出ていました。
BL描写が多い割に物語もきっちり読ませるという満足感の高い作品。

はらだ
バンブーコミックスQpaコレクション3巻 / 竹書房
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★★★

ぼっち日和。。他3件 

ぼっち日和。。: 1 (REXコミックス)
今村朝希
ぼっち日和。。をAmazonで検索する
クールビューティ的容姿の主人公の女子は仏頂面が災いしてか周囲から一歩置かれるが、実は可愛いもの大好きで、親しい友人との交流を望むがままならない日々。そんな中、部員勧誘で入った煎茶道部の部長はネズミの妖精だった、というはじまりのハートフル漫画。周囲には嫌われているわけではなく、むしろ畏怖というか憧れ的存在である模様。部に入ったことを皮切りに様々なタイプの女子と知り合う中で、少しずつ前進していくスクールライフストーリー。可愛い絵柄といいファンシーな設定にふわふわなキャラ同士の絡みや話運びといい、少年というより少女漫画系統だと思うのだが・・。萌えジャンル作品とみればいいのか。複数巻。

TRUST!-蒼空のたすき- : 1 (アクションコミックス)
井上正治
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走るのが好きだが持病のため運動を禁じられていた中学性男子の主人公、一方で高校生の兄はチチの指導の下有望な駅伝走者で代表選手となる。そんな中、主人公は隠れて練習し中学の大会で好成績を修め兄と同じ学校に、と考える中、事故で父親は死亡し兄は再起不能となる。急転直下な冒頭、往年のドラマを彷彿とさせる構成はドラマチックな分中だるみはないが古い印象も覚える。スポーツに興味が薄いので個人的には可も無く不可も無くだが、構成は悪くないと思う。

火葬場のない町に鐘が鳴る時(1) (ヤングマガジンコミックス)
和夏弘雨 碧海景
火葬場のない町に鐘が鳴る時をAmazonで検索する
10年ぶりに故郷に帰る青年が主人公。夜の習わしに慣れればいい町だという彼の父。その町では夕方の6時になると不穏な鐘の音が鳴り、夜明けまでは外に出ては行けないという不文律があった。主人公は青年は知らずに破ってしまい、冥奴様と呼ばれる得たいの知れない化け物と遭遇する。山間の田舎町を舞台にしたサバイバルホラーというかホラーファンタジーというかな話。構成としてはありがちというか目新しさを感じないとはいえ奇怪な存在と発現するルールの妙が巧く、先が気になる話ではあると思う。

少女漫画2件コミカライズ1件 

禁.断.婚.約. (フラワーコミックス)をAmazonで検索する
心あゆみ
警視総監の娘と極道の若頭の禁断の恋を描いた恋愛もの。冒頭ですでに二人は恋仲のようで、馴れ初めエピソードの後は、ヒロインの父を初めとした様々な障害を乗り越えて関係を続けるかんじかな。若頭は少女漫画の鉄板の危険な香りがするがヒロインの危機には颯爽と助けるイケメン。次々とヒロインに降りかかる災難とか二人の仲を裂くだろうエピソードがこれでもかと続くたびに二人の絆は強くなるという乙女の萌えるシチュエーション満載。いろんな意味でリアリティは皆無だが需要がある確立されたジャンルなのだろう。複数巻。

本日はお日柄もヨロシク (フラワーコミックスα)
星野正美
表題作ほか、恋なんかあるはずがない・お姫様と僕・日帰り温泉でつかまえて・決戦はランチタイム他収録。表題作は、結婚を決めたカップルが女性の父親に結婚の報告をした際、父親は時代外れの豪華な結婚式をすると言って聞かず・・という話。他も社会人女性の恋愛や、新婚夫婦の話など、ヒロインはおおむね社会人のいわゆる大人のラブコメ。気軽に読める内容である一方、印象に残らない話ばかりではあった。

新しい彼女がフラグをおられたら (シリウスコミックス)をAmazonで検索する
竹井10日 凪庵 CUTEG
ラノベ原作・彼女がフラグをおられたらの続編のよう。前作の結末などぼやっとしかしらなかったが前作のダイジェスト説明があり、それなりに話にはついていけた。かつては、運命の選択肢いわゆるフラグを可視できる主人公男子は仮想世界で人類の外敵を退け現実世界に戻ってきた後の話。どうも完全ハッピーエンドではなかったようで、また現実世界でもトラブルに立ち向かう運命のよう。絵も構成も質が高く読みやすい良コミカライズ。。登場ヒロインが多いのでやはり前作を予習しておくのが吉ではあるが。

有栖川有栖の推理小説のなかの、作家アリスシリーズをコミカライズしたシリーズ。
新装版では5冊にまとめられているみたいです。
推理作家の有栖が、臨床犯罪学者・火村英生とともに出会った殺人事件の謎を解いていくという
スタンダードかつ本格的な推理もの。
主人公がワトソン(助手)役、火村英生が探偵役。
漫画の描き手の特徴なのか原作のカラーなのかけっこう淡々と話が進む印象。
複数の関係者との会話と主人公コンビの議論が大半を占めるゆえか、台詞の文字が
画面の大半を占めるのでけっこう読むのが大変だったっけ。
まあそれだけ読み応えはあるし、丁寧に描かれているとは思うのですが、
やっぱりこのシリーズは原作を読む方がいいのかも、と思った作品。
同著者の他のコミカライズではそうは感じなかったんだけどコンセプトの違いなのかも。
このシリーズは一周回ってそのまんまだったってパターンが多かった印象。
クライマックスの演出があっさりすぎるのも特徴かな。
個人的にはもうちょい余韻がほしいところだけど原作通りなんだろうな。

麻々原絵理依
あすかコミックスDX5巻 / 角川書店
ジャンル:推理ミステリー・少女 / 好み度:★★★★☆
ロシア紅茶の謎 / 朱色の研究I・II / ブラジル蝶の謎 / 英国庭園の謎

高校生の日常と青春を、薄く繊細に緩く描いたオム二バス作品集。
主人公を定めないオムニバス構成だが一貫性があるよーなないよーな。
一応女子高校生を主格としているのかな。
1巻目は放課後ロスト・ウォーキング ウィズ ア フレンド・緑雨・blue imaginary birds収録。
ごくごく平坦な学校生活の中に爪で引っかけたような変化があったりきっかけがあったりして
水面の波紋のような緩やかな出来事と心情を綴るといったかんじの内容。
正直、語彙が少ないので面白さや良さを伝えられないが、奇妙で不思議な魅力があるのは確か。
センシティブというか思春期特有の惑いというか。どの登場人物も感情を激しく出すタイプでは
ないのでその凪のような作風が印象に深く残る。
理屈じゃなく感性に訴えるタイプの作品と言うべきか。

五十嵐藍
ヤングエースコミックス全4巻 / 角川書店
ジャンル:青年・青春 / 好み度:★★★★☆