砂王という竜が夜を隠して以来昼ばかりの王国の幼き王女が夜を求めて旅にでる「竜の暦」、潜在的ESPを持つが故冷凍睡眠をほどこされた女性を目覚めさせるため、科学局員の青年が彼女の精神世界に入る「ファントムオブドラゴン」等9編を収録した作品集。収録作品は、竜の暦/竜の卵/ファントム・オブ・ドラゴン/荒城/FARGREEN世界で最後の竜の夢/聖夜。
竜をモチーフとしたファンタジー色の強い中篇+短編を集めた作品集です。中篇3篇は巧みな構成と印象に残る演出と設定で、読みやすくまた、読み応えのあるものが多かったように思います。「竜の暦」は昔話風なところがツボでしたし、ファントムオブドラゴンはSF設定なのにストーリーはもろヒロイックファンタジーというところが面白かったです。 FARGREENは、作者がよくモチーフに使う、失楽園と復楽園がテーマのSFファンタジー。機械に繋がれた竜はとてもインパクトがありました。一番展開にメリハリがついている印象も受けました。
厦門潤
アスキーコミックス全1巻
ジャンル:ファンタジー/好み度:★★★★★