私立千里高校。名古屋で行方不明の女番長と同姓同名がゆえ総番長に祀り上げられたごく普通の女子高生乱子。彼女と取り巻きの不良たち、かつて番長だった教師、他校の不良たちによる学園ドタバタアクション。
いわゆるヤンキー学生たちが中心の話ですがいたって普通の学園コメディというかんじ。ヤンキー社会独特のお作法とか空気があまりないんですよね。
リアリティはともかくとにかくテンポが良くめまぐるしく動く展開が絶妙。登場人物が多い割に立ち位置がわかりやすいので混乱はないし物語としてきれいにまとまっているなあという印象。
恋愛・親子愛・信頼関係・勢力の兼ね合いを含めた人間関係・固定観念との戦いなど見所がいろいろ詰まっています。
総ページ数の割りに読んだー!という充足感があるというか。いっぱいに詰め込んだおもちゃ箱を開けるときのわくわく感というか。
没個性への脱却みたいなのがテーマのよう?思春期の学生の思考が変わりつつあるころの作品だったのかな。
同時収録の短編は、7年後の眠り姫・天国がいっぱい・そして世界が終るとき・NIGHT MARE
どのタイトルも人間の性質にするどく切り込んだコメディというかんじ。NIGHT MAREは直球のホラーミステリですが。
大橋薫
ジェッツコミックス全1巻 / 白泉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★☆