「魔人」と呼ばれる特異な遺伝子を有した者たちの物語。
エピソードは大まかに1部2部的に分かれています。1部は序章といっていいのかな。暴走族の青年とその妹の話。主人公の青年はひょんなことから化け物に遭遇しその血を口にしたことから自らも化け物になっていく。妹をも襲いかけるほど人間としての理性を失いつつある自分に戸惑う兄とその原因の一端を予測する妹。そして兄と妹は自分たちの運命を受け入れるといった展開。
2部は生物学者の親を持つ優等生タイプのデコめがねの少年が主人公。少年の学校では人以外のものを孕む女生徒の事件のうわさが存在し、少年自身がそれを目の当たりにすることから魔人との対峙を余儀なくされるという話。
異形の化け物相手に、生物学や科学の知識を駆使して対峙するって設定が実に興味深かったです。まあ少年もなんらかの特異な要素を持っているのですが。個人的に丁寧なしゃべりの少年てのは萌える(笑)
2部では1部の兄妹がもう怪しい人(人じゃなくなってるけど)になっててちょっと笑えた。妹ちゃんは猫耳になってるし。猫を捕食したから猫耳生えたって(笑)彼女の歌うシーンは印象的でした。
やはり流麗な戦闘アクションが魅力。絵がうまいだけにグロ描写も半端ないリアルさですが;変に凝った設定がないためか著者の作品にしてはすんなり話に入れて個人的に好きだったタイトル。ファンタジーな人外の存在を「そういう生物」として科学的に分析するという設定が目新しい作品でした。2巻で終了、ちょっと消化不良気味な終わり方が残念。
大暮維人
少年マガジンコミックス全2巻 / 講談社
ジャンル:青年・ダークアクション / 好み度:★★★★☆