仲間とともに、依頼によりターゲットの生活をのぞく「のぞき屋」稼業を営む青年の物語。
捩れた社会の裏側を形成する歪んだ人の欲望を描写することをテーマとしたタイトルかな。主人公はのぞきのプロであり、自身の片目にはのぞいた人間の心までものぞけるという能力を持つという設定。
既存の盗聴道具などを駆使した一般と変わらない調査の後、核心に近い対象、ここというところで能力を使う。しかも主人公の心をのぞける特殊能力はクローズアップさせず、あくまで物語の補助的役割。主人公の特殊能力を重点におかないってパターンはめずらしい気がします。
主人公たちのキャラが、どちらかというと3枚目系なところが人間くさくてリアリティがありますね。
大判コミックスではのぞき屋が1巻、新のぞき屋で複数巻があって文庫ではそれらをまとめてあるのかな・・・。ちょっとわかりません。冒頭のあらすじは「新」のほうです。のぞき屋のほうは職業として成立させる話のよう。絵柄がかなり違うなあ。懇意の女の子にからんだ事件が展開。
青年向けというかかなり特異な状況描写が多め。話は練られていてドラマも興味深いのですが、どうも絵があわないところがあったり。おじさんのキャラは普通のシーンの顔アップだけでも生理的にだめだ・・(笑)
山本英夫
のぞき屋 小学館文庫全8巻 / 新のぞき屋 全11巻 / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★☆☆☆