ある夏の出来事、ある学校の平凡な男子３人が作った学校の怪談は一人歩きし、やがてある事件を引き起こす。
気晴らしと退屈な日常のほんの抵抗のつもりで男子中学生の３人は「お骨サマの呪い」という学校の怪談と作り上げる。学校内で噂が噂を呼ぶ中、一人の女子学生が転落、重症を負う。それは呪いのせいだとささやかれていく。
学校という囲われた世界、思春期のこどもたちが織り成すサスペンス。
現実での「呪い」の作用と、子供から大人へと変わる時期の人間の心理を見事に描写した秀作。さすがひぐらしの原作者の話だなあとうなる内容。緻密かつ空寒いミステリーと、登場人物の行動のリアルさと生々しさが見所。事件の謎解きをした主人公の身内はかなり頭が良いなあ。こういう大人は現実で存在するのかどうか。
作画担当の絵柄も作品の雰囲気にぴったりで、短編映画を観るような、見せ場における画面構成が見事。静かにそして唐突に突きつけられる核心のシーンなんか特にすごいです。
精神とは、状況により移ろいやすいものであるとあらためて感じるタイトル。正直ひぐらしより面白かったかも。
しかし最後のシーンのモノローグはよくわからなかった私；サブタイトルもだけど。
原作：竜騎士07 / 漫画：野沢ビーム
シリウスコミックス全１巻 / 講談社
ジャンル：少年・サスペンス / 好み度：★★★★☆