小学校のころ幼馴染の少年に笑い顔が醜いと罵倒されてから自己暗示にかかり笑わなくなった中学生の少女。それゆえ周囲から誤解されることもあった彼女は、トラウマの原因となった少年と再会する。
少年はそのままの意味で罵倒したわけではなく、むしろ主人公に好意を持っているわけで。いわゆる素直に気持ちを表現できないタイプですね。自分の発言が主人公のトラウマになっていることを知り、状況を打開しようと主人公と関わっていく・・、という展開。
主人公のトラウマからの脱出とか周囲の人間との関係の話とか少年との純真に育まれる恋愛展開とかがメイン。主人公と少年の恋愛描写ってほんと思春期前の恋愛なんですよね。初々しいけど大人の恋愛にはない障害や大変さが如実に表現されています。
割と王道なエピソードばかりですが、自然に的確に深くじっくり表現される登場人物たちの心情描写が心に浸透していきます。あと主人公の姉のエピソードや妹である主人公に対する心情描写もなかなか印象的でした。
ラストはやはりちょっとすっきりしないというかなんとなーく終わったという印象が強いですね。母親との角質そのまんまかいというかんじ。まあリアルっちゃリアルだけどね。月並みな言葉ですが、親は子の持ち物じゃないんだけども。
望月花梨
花とゆめコミックス全４巻 / 白泉社
ジャンル：少女 / 好み度：★★★☆☆