トッペンカムデンへようこそ 征矢友花

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主人公は先代の王の一人娘であり国王代理を勤めるローラ。彼女の施政や外交、彼女が16歳になったときに受ける竜による死の運命、その過程で綴られる魔法使いレジーや他国の不遇な王子のロマンスなどが描かれています。
主人公は亡き父の代理で施政の代表になっていますが、政治的なことがまだまだ疎く周囲の貴族や側近たちにいいように利用されている状態。魔法使いの青年レジーはその相談役だったり、主人公の死の呪いをかわりに受けたり。魔法使いとか呪いとかといったファンタジーなドラマ要素に加え、国を治める施政のエピソードは現実的で緻密に組まれた構成です。
コミカルでふんわりとした印象を受けますが、内容はなかなかにシリアスというかせちがらいというか。主人公がまっすぐでくったくがない少女らしい面と施政者の資質を十二分に保持したキャラだし、ラスボス(笑)以外はなんのかんのと善人ばかりなのですが、途中の障害の描写がけっこう辛辣なのではらはらします。それゆえ困難を乗り越えた後に感じる幸福感はひとしおなのですが。
絵柄は少女漫画というより絵本に近い絵柄でものすごく好感が持てました。ややこしい場面でもすんなり読み込める構成はありがたい。
個人的にかつて主人公を暗殺しようとしたがある事件から改心して宰相になったキャラが好きでした。悪役面なのに穏やかな雰囲気があるってのがツボなのか。
あとやはりレジーとローラのやりとりが印象的でした。死の運命とか王族と魔法使いの関係の社会的通念などいろいろあるゆえに実は相愛なのに微妙にズレている描写が萌えました。

征矢友花
プリンセスコミックス全7巻 / 秋田書店
ジャンル:少女・ファンタジー・ロイヤル/ 好み度:★★★☆☆