犬が苦手でトロくさく泣き虫な性質の高校生・麻妃。彼女の前に突然現れた良太は自分は狼人間で、10年前にがけから落ちた麻妃を自分の血を与えて助けたという。そして麻妃は半狼人間として覚醒し狼人間の勢力争いに巻き込まれる。
主人公は幼少期に狼人間の少年に助けられ、治療でその血を受けたため10年後の現在中途半端な状態の狼人間として覚醒し、満月には狼人間の特性が顕著になり人格も変わるという設定。主人公の中の2つの人格という要素も物語の重要な鍵のよう。
狼人間には人間で言うところの家とか村のようなコミュニティーが複数あり、メスは稀少ということで主人公の争奪もからんでいくという流れです。主人公の有り様と良太との恋愛と狼人間の社会を主軸に、さまざまな画策をするメス狼、長老格の老婆狼、各々のコミュニティーの主の狼など複雑なドラマが展開。
自然界においては女性が優位ということで狼人間の社会もその稀少さゆえか女性優位でありおのずと女王気質なタイプになる模様。主人公の狼人間側の人格もまたしかり。オスがメスに寄っていく設定はある意味生々しいかも。
複雑な構成と設定ゆえなかなか面白いのですが、どのエピソードも似たり寄ったりな内容で後半はちょっと飽きてきました。ラストもまあハッピーエンドなのですがちょっとしっくりこないなと思ったり。
シリアスでドラマな話なのに獣耳としっぽが出るとどうしても萌えものを連想してしまう私;;
碧ゆかこ
プリンセスコミックス全6巻 / 秋田書店
ジャンル:少女・ファンタジー・ドラマ / 好み度:★★★☆☆