女子高生・零は買ったばかりの携帯のメールに∞の文字が出た後突然現れた少年・ルーエルと遭遇する。ルーエルは異界の王で呪いがかかっており、零はキングマーカー(採点係)として呪いを解くことを余儀なくされるが。
主人公は女子高生の零。高校進学を機に軽い気持ちで買った携帯に∞とだけ打たれた謎のメールが届く。そしてその直後光の中から一人の少年が彼女の目の前に現れる。少年はルーエルといい異世界の王で本来は16歳ながら呪いのために記憶と肉体ともに9歳に後退しているという。
零は、ルーエルの呪いを解くことができるキングマーカー(採点係)であり呪いを解く前にルーエルの体に危険が及べば零にとばっちりがくるということで、彼女はやむなくその使命を了承し、彼女と彼女の弟とルーエルの同居生活が始まる、という展開。ちなみに両親は海外出張。
ルーエルには育ての親であり側近の青年がおり、異世界と現世界を行ったりきたりしていて、このキャラが物語の鍵を握っている模様。つかはじめからうさんくささそのもので、腹に一物ありキャラですよみたいな演出ですよ(笑)そしてルーエルとこの青年の2人の互いの気持ちにまつわる一連のエピソードが一番印象的でした。主人公がルーエルに対し、青年への気持ちを諭すシーンが特にツボでした。裏切ったから嫌いじゃなくて好きだから悲しい、名言。もちろんルーエルと主人公のゆったりじんわりな恋愛な展開も魅力的です。
ルーエルのこども版は主人公の弟と同世代なのでルーエルが小学校に通ったり、ホットケーキを食べたり、そんな現世界でありふれた日常をすごす中、刺客の魔物が現れたり、ふいうちでルーエルが元に戻ったり、王族たちの画策などなど2巻完結なのにエピソードがみっちり詰まっていて、でもぎゅうぎゅうじゃない構成が魅力でした。
語りたいであろうテーマの提示と話のまとまりが秀逸なタイトル。
喜多尚江
花とゆめコミックス全2巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆