秋葉原いちまんちゃんねる 宮下未紀

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表題作他著者の約10編の短編を集めた作品集。
発表した作品をかき集めて収録したのかジャンルはけっこうばらばら。ついでに発表時期にはけっこう幅があるようです(絵柄がね・・)。少ないページの短編でもきっちり楽しめる構成だったのが印象的でした。
「秋葉原いちまんちゃんねる1」
ひょんなことから秋葉原にあるファミレスのあるバイトをすることになった女の子の話。秋葉原で飲食店つーとどうしてもメイド喫茶しか思い浮かばなくなってしまった現在ですが、舞台はあくまでファミレスですよ。店長が変わってるけどね。
「秋葉原いちまんちゃんねる2」
同じビルにライバル店出現でひと悶着。ウェイトレス魂を持つ猫ミミウェイトレスがクールな顔してひっかきまわしてます(結果的に)。グダグダっすね・・。
「極東最前線」
幼児のまま姿をとどめた祖母・魔子とともに拝み屋を営む少年のお話。魔子さんの口調と姿のギャップはありがちながら萌える(笑)少年と魔子さんと少年を好きな女の子のやりとりがほのぼの。どちらかというと設定が中篇向け。短編ではちともったいない話でした。
「C.Cute Cafe」
乙女の乙女による乙女のための男子禁制喫茶のお話。全2話。お店にやってきた悩める女の子の相談とは。ウェイトレスがアグレッシブなのはお約束なのか。1話目の設定が面白く短編としてもキレがある構成だったな。
「同世代の少女たちへ」
違う学年が一緒の教室になるほどの過疎の村の学校。見知らぬ少女からお兄ちゃんと呼ばれる少年の話。せつない話。
「最終ウェイトレス」
ウェイトレスが連絡の悪い最終電車に間に合うよう疾走する話。一発芸のようなばかばかしくも身につまされる話。連帯感も出てくるものなのか。
「窓より愛をこめて」
3Dゲームのバーチャルメイドと起動した少年のお話。コマンドや条件付けのトラブルってのはこのテの話ではデフォですな。MOってのに時代を感じる。
「遺伝の理由」
とある旅館で交わされた、客の男性と女将の娘の会話。ショートショートミステリのような話。作品に漂う空気をどこか懐かしく感じるのはこのころこういう作品をよく見かけたからか。
「きよしこのよる」
とある学校で交わされた少年と少女の会話。思っていれば届くというのは幻想か。せつない恋のすれちがい・・とはちょっと違うか。これも雰囲気が好きだな。
昔(と思われる)の作品のほうが設定が明確でオチもついててなんてこたない話でも心に残るものが多いなあ。今は話よりもいかに萌えられるキャラが出るほうがウケるのかなあ。

宮下未紀
角川コミックスエース全1巻 / 角川書店
ジャンル:少年・萌え / 好み度:★★★★☆