ある日定食屋を営む主人に身に覚えのない自動車の賠償請求がやってくる。なんでも家のネコが車の塗装をひっかいたというのだ。しかしあて先は死んだ主人公の祖父でありネコも自分の家のネコではない。面識のない人間にいきなり告訴をしたわけのわからない原告と争う主人公たちのお話。
裁判の手順と過程を描いたハウツーコメディ(コメディといっていいのかアレなんですがフィクションとして魅せる誇張が多めなので一応)陪審員制度の導入、裁判の簡素化が進むだろう昨今、裁判についての知識を入れておくという意味で読んでて損はないタイトル。
庶民派な絵柄で日常における会話テンポや心理描写も上手く、まさに主題にうってつけの作画担当。漫画としてかなり読みやすいです。
原告が無茶なのですぐに終わるかと思いきや裁判の規則や費用でなかなかそうはいかない。そのうち当事者のみならず裁判官や弁護士もヒートアップしてくるという・・。民事は基本、第3者を介した話し合いや示談といっていい形式だと思うんですが善悪をはっきりしてくれると思ってる場合が多いのかなあ。
裁判になるにしろならないにしろ、日常で無茶を言う人間はいるものなのでそういう人には主人公のように熱くならないで冷静に対処したほうがいいんですけどね。なってみると中々難しいんですがね。
原作:山田タロウ / 作画:若林健次
角川チャージコミックス全2巻/角川書店
ジャンル:青年・実話エッセイ / 個人的好み度:★★★☆☆