天と魔の戦いが存在する世界。しかし現代、人々は天への感謝を忘れ、それ故に平和な日常に魔の使いが出現するようになる。現れる魔徒たちに立ち向かうは天より力を授かった正義の戦士だった。
大仰な前フリはあるものの冒頭は特撮ヒーローそのまま。特撮刑事とポ○トリンのような美少女戦士が怪物をかっこよく倒すというわかりやすい展開。正体がばれちゃいけない、補佐的役割のキャラがいるといった特撮戦闘のお約束もそのまんま使われています。
ですがただアクションを重ねる正義と悪の戦いの描写ばかりでなく、戦士に選ばれた2人の人物描写や現在までの背景描写のほうが見所が多いと思われ。自然に表現されている、リアルというか身近に感じる人間模様がいいですね。
特撮刑事のほうは正義を信条にし悪を成敗しているつもりが、友人と思っていた人間に利用されたり、力が強く見た目がごついのが災いしたりで不良のレッテルを張られるという状況。一方美少女戦士のほうは、財閥の跡取りとして教育を受け才色兼備品行方正を貫いていることを義務として自分も納得して行っているものの、たまにははめをはずしたがっているという状況。
男の子は正義を貫きたい、女の子は派手に動き目立ちたいという望みが天啓の力とうまく一致して2人は正義のヒーローをやっているという展開。
どちらの英雄も置かれた状況に基本的に前向きな志向のキャラクターなのが個人的に好みでした。天と魔の戦いの構図も変に入り組んでいないわかりやすい設定だったのも好感が持てます。
3巻で終わったのが少々残念ですが物語はきちんとまとまっていて満足な内容。長期でやるにはオーソドックスすぎたのだろうか・・。
竹山祐右
バーズコミックス全3巻 / 幻冬舎
ジャンル:青年・アクション・ドラマ / 好み度:★★★★☆