突然御伽話の世界へ売れない小説家の青年ライナスの前に現れたのは7人の小人だった。彼らが連れてきた先にはノイローゼの白雪姫がいた・・。
童話「白雪姫」のパロディ?ストーリー。本編ではめでたしめでたしで終わったあとの人生模様。結婚した後に続くドラマのひとつにはやはり嫁姑問題がありました(汗)夫がおっとりしてたら余計あれなんですかね;白雪夫婦は同じテンポっぽくてお似合いなんですが;コミカルにまたせつなく描かれる童話の登場人物たちとそれを見る青年とのコントラストが絶妙。2話目はライナスの息子と白雪姫の娘の冒険活劇。女らしい母親を持った勝気な少女のかわいらしい葛藤、そして白雪姫に懸想していた小人の一人の描写が見所でしょうか。
本編も素敵でしたが同時収録の「月光夜曲」がいちばん印象に残っている作品です。月の魔法で若返った老人は、馴染みの孤児院の少年とともに昔の恋人を探すうちに、恋人に良く似た女性と出会う。老人と少年と女性の、月が見せる一夜かきりの物語。ラストがすっごく泣けます。悲しくて泣けるというよりせつなくて泣ける感じ。
山口美由紀
花とゆめコミックス全1巻/白泉社
同時収録作品(シリーズ外):月光夜曲/巷に花の降るごとく
ジャンル:少女・ファンタジー /好み度:★★★★★