天才キャッチャーであり強打者の山田太郎と明訓高校の野球部メンバーの物語。
高校球児の憧れる甲子園を目指した試合、またそれを舞台に繰り広げられる若者たちの球宴が描かれています。本格野球漫画の代名詞ともいえる作品。実在する野球選手への影響力ははかりしれないものがあったようです。多彩で個性的なキャラクターたちがまさに青春をかけてぶつかり合うさま、納得させられる野球理論、バッターとピッチャー、キャッチャーのかけひきの描写がこの作品の魅力と言えます。また、主人公山田太郎の現実離れしていないキャラクターがさらに物語に深みを持たせているように感じます。山田太郎はかなり地味で目立たない主人公で、まさに縁の下の力持ちといった位置づけをされています。そのため他のキャラクターが光るわけです。まあ、ホームランをばかばか打つのでいやでも目立つシーンもあるのですが。
けっこう本格的な野球の試合展開を見せつつ、少年漫画としての要素も結構入っているところがすごいです。物語の伏線が、矛盾を感じるものがあったり(きっちり消化しているものもありますが)、最後がかなり急ぎ足だったのが難点といえば難点。
その後ドカベンのキャラたちが各々プロになってからの物語であるプロ野球編、スーパースターズ編も発表されています。スーパースターズ編は他作品のキャラ総動員でお祭り騒ぎ状態。
水島新司
ドカベン/秋田文庫全31巻ほか/秋田書店
プロ野球編/チャンピオンコミックス全52巻/秋田書店
スーパースターズ編/チャンピオンコミックス全45巻/秋田文庫/秋田書店
ドリームトーナメント編 / チャンピオンコミックス全34巻 / 秋田書店
ジャンル:少年・スポーツ(野球) / 好み度:★★★★☆