怪盗・怪人二十面相と探偵・明智小五郎や小林少年との対決を描いた冒険活劇。江戸川乱歩の冒険推理小説の漫画化作品。
少年少女向け小説である原作の文体と雰囲気に、かなり近い作風と演出が特徴のタイトル。表紙デザインからして力が入っています。当時の社会や世相もきちんと描写されていてレトロな雰囲気と少年たちの大仰な台詞まわしは、原作が発表された時代に近いころに発表された漫画のような錯覚も感じさせます。どことなくぎこちなさも感じますが(笑)
原作の雰囲気が好きだという人には満足のコミカライズだと思います。それにしても乱歩小説って低年齢層向けでもどこかマイノリティな要素があったんですねえ。まあそこが魅力なんですが。
小林少年がつぶらすぎるというかぶっちゃけショタなキャラデザなのは今風というべきか。制作手記を読んで納得しつつも苦笑。関係ないですが少年探偵団はかなり終わりのほうの登場でした。
原作:江戸川乱歩 / 作画:田中顕
バンブーコミックス全1巻 / 竹書房
ジャンル:少年・ミステリ / 好み度:★★★☆☆