夜は短し歩けよ乙女 琴音らんまる / 森見登美彦

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大学のコンパで見かけた新入生の女性に一目ぼれしためがねの大学生の男性。彼は新入生を「乙女」と呼びなんとかお近づきになりたいと奮戦するが・・・。
現代社会設定の下町&和風幻想物語というべきか。生活・文化はなじみのある日常のものもありますが御輿に乗る大御所の老人とか個性的なお酒の名前とかリアルじゃありえないイベント(祭り)とかが印象的。
乙女を含めたサブキャラの個性が強く動き回ることこの上なしで、主人公が苦労している割にほとんど目立ってないのが笑える。こういう演出は好きだ。乙女は天然で愛らしい、たぶん男性の大半が好きになりそうなタイプ。女性から見ても魅力があります。なんというかキャラクターに愛着がわく作品ですね。
画力がしっかりしていて万人向けなのでするっと話に溶け込めます。
これを読んでるとなんか懐かしい、なんだろうとずっと思ってたんですが、宮沢賢治のお話を思い出すんだ。世界観が現代に近い童話が多いし。こちらのほうが雰囲気が明るくまさにお祭り騒ぎって感じですが。宮沢賢治が好きな人には漫画も原作小説も楽しめるかも。

原作:森見登美彦 / 作画:琴音らんまる
角川コミックス・エース全5巻 / 角川書店
ジャンル:少年・和風ファンタジー / 好み度:★★★☆☆