未練を持った死者が蘇り6日間現世ですごす。主人公の青年は傍らでそれを傍観し7日たつと手のひらの第3の目でもって死者を還す。7日たつと死者は生者になってしまうという。
青年は自身の記憶がなく、自分が死者を還す者ということはわかるがなぜ自分がその役割なのかもわからない。青年と深いかかわりがあると思われる謎の飛行船、ネットの掲示板に度々書き込まれるジナスという言葉、謎が謎を呼んでいる形になっています。
ファンタジー要素が多分にありますが、基本は蘇った死者と縁のある人間との交流、もしくは死者自体の心情の決着といった人間ドラマが主軸のように感じます。
人間ドラマを展開しつつ徐々に主人公を含めた大きな謎を紐解いていくという展開かな。オープニングの現実離れした設定に少々戸惑いますが巻が進むにつれ徐々に物語の枠が広がっていきます。基本的に1人の死者を主軸とした1エピソードという構成なのも読みやすいと感じました。
吉田聡
モーニングコミックス全6巻/ 講談社
ジャンル:青年・ドラマ・ファンタジー / 好み度:★★★★☆