198×年12月20日から人類が見るようになった、後にR-ドリームと呼ばれる夢。それはだたの夢ではなく、夢の中でダメージを受けると現実の肉体にも同様のダメージを受けるものだった。世界中が注目し始めた中、美大浪人・西荻北斗は、 R-ドリームに居続ける少年・リュオンとともに、 R-ドリームの謎の解明とリュオンを現実で目覚めさせる方法を模索することになるが......。
環境問題をテーマに扱った壮大なSFファンタジー。物語の中心となるR-ドリームの存在の意味を解き明かす内に現代社会が抱える問題が浮き彫りになっていくという展開です。連載された当時はリサイクルとか環境保全とかがあまりとりざたされていないころだったせいかある意味ショックを感じたのを覚えています。物語のテーマもさることながら、夢(R-ドリーム)内の描写がすごいです。夢特有の不条理さとただの夢ではないことを表す( R-ドリームたらしめる)リアリティさが絶妙。キャラクターや設定が特異で引き込まれますね。キャラ同士の会話のテンポやノリも面白いと感じます。最後にわかるリュオンの存在の意味とラストシーンはなんとも言えない感情がこみあげました。
続編として「ディープグリーン」も発表されました。主人公は女子高生。物語のとっかかりとしては巧みではありますがシビアやのう・・。
佐々木淳子
MF文庫全5巻/メディアファクトリー
ジャンル:ファンタジー・少女 / 好み度:★★★★★
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「ダーク グリーン」/佐々木淳子(小学館フラワーコミックス)/乱読家ノススメ / 2005.12.23