内大臣家のおてんば娘・瑠璃姫の恋愛・結婚がらみで起こす事件や彼女が巻き込まれる政治的策謀の事件などを描いた平安貴族物語。
ジャンルとしてはライトミステリが近いかなあ。恋愛の駆け引きから政治的サスペンスまで緻密に組まれた構成、けっこう突っ込んだドラマがある割りに決して重苦しくなく、現代でもありそうなノリと共感しやすい展開や人物描写が魅力。自分の目的などのために活発に動き回る主人公を中心に描かれる、複雑というかパズルというかいい意味でややこしい人物関係が見所か。
まあとにかく主人公が動く動く。怒ったり泣いたり恥らったり、ぼーっと待つことを知らず考えを巡らせたり行動を起こしたりという行動派な性格に一種のあこがれを抱いたのも懐かしい思い出。あと、可愛いけど美人というほどでもないどこにでもいそうな「平凡な容姿」と評するにぴったりのキャラデザインが見事というか描きわけがうまいなあとしみじみ思ったっけ。
平安時代の貴族社会などの時代考証もきちんとされており、当時の風俗や社会通念なども学べる内容になっています。10年以上経ってから続編の人妻編が発表。絵柄が変わってて(というかバランスが崩れているように思えて)びっくりしたよ;
原作:氷室冴子 / 漫画:山内直美
なんて素敵にジャパネスク / 白泉社文庫全6巻 / 白泉社
なんて素敵にジャパネスク人妻編 / 花とゆめコミックス全11巻 / 白泉社