舞台は架空の星。第一次移民と第二次移民との戦争下。現地生物の対組織を子宮に移植し転送能力を身につけた女性だけの部隊・特別転送隊。何も知らずその特殊部隊に配属された新兵の女性の物語。
女の子宮に別の生命体の組織を入れ妊娠状態にして兵器として使う。昔は非人道的な方法でなされていたもののそれを打開する動きがあり現在ではそれはなくなったものの、軍関係者だけでは役割を担うものが足らず一般公募しているという状態。
主人公側の陣営は人材不足、戦況は劣勢という状態かな。複雑な設定ながらきちんと説明されているのでさほど混乱なく読めます。しかし妊婦が鍵という設定はやはりインパクトがあるなあ。とはいえ奇を衒っただけではなくきちんと物語の設定と状況にうまく組み込まれています。
ある種の理不尽さと不穏な展開もあり、その中での登場人物たちの描写が見所。戦争の話は架空でもへこむことが多いのですがこのタイトルはそれを飛び越えて「読ませる」内容なのが好印象。
白井弓子
イッキコミックス全5巻 / 小学館
ジャンル:青年・戦争・SF / 好み度:★★★★☆