ロボットによる革命、ロボットの国ロボタニア建国を目指し虐げられたロボットたちとともに戦う青騎士に対峙するアトムだが。手塚治虫原作鉄腕アトムの青騎士のエピソードをリメイクしたタイトル。
青騎士のエピソードを現代風にアレンジし別の結末を用意したかんじの話。人間社会で頻繁に起こる差別や弾圧といったモチーフをロボットと人間に置き換えて描かれているあたりは同じなのかな。
手塚作品のリメイクというより著者目当てで買ったタイトルだったり。重い問題提起のある話を真っ向勝負で描いているあたり著者らしいなあという印象。ひねりが多い作品が多い中で正統派な話を描ききってます。
とはいえ細かいところで、もうちょっと構成を練ってもよかったかなというところもあり。情熱は感じるけどもツメが甘くいところがあるようなという感じ。1巻という尺では限界なのか。
原作を読んでいる人はぜんぜん違って幻滅する人がけっこういそうですが、当時と現在の世情の差異も考えると結構奥深いものがあると思われ。ある意味人間とロボットのハーフの2人が消えたこととか、ロボットたちの奮起と博士の仲介とか、最後のアトムとある人物の再会とか、深読みすると現実におけるそら寒さをちょっと感じたり。
原作:手塚治虫 / 漫画:姫川明
角川コミックスエース全1巻/ 角川書店
ジャンル:少年・SFドラマ / 好み度:★★★☆☆