自他共に認める不幸体質の少女・律は家庭の事情と脱不幸体質を理由に学校の寮に入ることを決める。しかし女子寮に入ることはかなわず特別寮に入ることになりそれと同時に音楽声楽科に転科、ペア制度で相手になったのは問題児で天才児の男子生徒だった。
当初は不幸体質のみが強調され、入寮規則などから普通科から突然音楽科に転入という謎の展開に戸惑いましたが、家庭での過去の出来事から心因的に声が出せないけど実は声楽の能力が高いという設定でした。
主人公が入寮した先では、誰かとペアを組むことを義務とする制度があり主人公の相手はかなりクセモノな彼。ペア相手との歩み寄りから恋愛に発展する流れとか周囲の人間とのドラマとかが展開されていきます。
ラブコメを多分に絡んでいるものの、各登場人物の複雑な人間模様が見所かな。ドラマ展開は読み応えがあり、おおむね１つ１つ解決していく構成なので読みやすかったです。多分コメディとシリアスの配分がうまいんだろうな。誤解とかすれ違いとか王道ながらしっかりした構成。これを読むとああ、とにかく話さないとわからんもんだよなあとしみじみ思いました（笑）
ただ妹との話はちょっとあっさりめだったかなーと。主人公に結構根深く入り込んでいたと思っていただけに拍子抜けだったというか。憎悪とか嫌悪の気持ちが絡んでいないからか。というか最後はかなり駆け足だったような気がしました。
そういえばそこはかとなくセレブな世界のエピソードが多いのは流行なんですかね。
藤田麻貴
プリンセスコミックス全８巻 / 秋田書店
ジャンル：少女・学園・ドラマ / 好み度：★★★☆☆