江戸時代、閑古鳥の鳴く両国広小路の見せ物小屋博覧亭を舞台にしたほのぼの妖怪コメディ。
妖怪が超大好きなマニアの若旦那が営むのは珍獣や人外のものを客に見せるいわゆる見世物小屋。しかし出し物がいまいちで客が来ず常に閑古鳥がないている状態。当人は軽業の芸を持ち店の従業員には忍者や妖怪たちがいるのですが妖怪を出し物にする気がないため出し物の内容がしょぼいという設定。
客が来ず困ったといいつつお気楽なほのぼのとした雰囲気、たまにお金になりそうなことも結局ご破算になるような骨折りな展開や心温まる話。古き良きどたばたコメディを彷彿とさせるノリの良さと心がほっこりする内容。さりげに江戸情緒と人情ものが融合しているあたりもツボどころ。
それにしてもコメディの割りになんか情報量が多いんですよね。話の中にトリビアネタが詰まっているからか。またネタを自然に物語に組み込んでいるあたりが心憎い。絵柄もかわいくキャラが生き生きとしています。
読み応えのあるコメディといった感じ。お気楽な内容でもじっくり読みたい人向けかな。
2011年より続シリーズ「いかさま博覧亭」発表。題名が短縮されていたので続きのシリーズだと気がつかなかったという。旧シリーズも新装版として再版。
小竹田貴弘
新装版 怪異いかさま博覧亭 / 電撃ジャパンコミックス全５巻 / メディアワークス
いかさま博覧亭 / 電撃ジャパンコミックス２巻 / メディアワークス
ジャンル：少年・コメディ / 好み度：★★★★☆