ピョウ -Self-hatred Syndrome- 矢口岳 / 覇亜

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親に敷かれた進路にも生きることにも疲れた気持ちを持つ2浪中の学生・兵は、街中で倒れている女性を匿ったことから事件に巻き込まれのっぴきならない状況に絡めとられることになる。狂気とオカルトの人間模様。
医者の親に敷かれた医大進学の道にも疲れ生きる甲斐も気力も失われつつある浪人中の青年が主人公。怪我をした女性を匿ったことにより気持ちが高揚するが女性を追いかけてきた男性と殴り合うことになりその際あやまって女性を殺してしまう。そして追っ手の男性と知り合いだという謎の青年が現れ・・というはじまり。
現代舞台設定で、人間の闇系ドラマとオカルトファンタジーをあわせたような内容。唐突な展開が多いし話の主格や視点がころころ変わるしでどれを焦点に持っていけばいいのか迷うかも。
突っ込んだ人間の暗部描写をテーマにしているのかえげつない描写が多めか。絵が上手いだけにインパクトがすごい。
原作と作画が上手くかみ合ってないなあという印象が強い。コミックスを読んでから原作を読んだクチですが、原作の持つテイストと違いすぎる。上手い下手の問題じゃなくて、迷宮もしくは悪い夢を見ているときのような不条理な雰囲気を一蹴されているような。リングのような日本ホラーをハリウッドで作ったときに覚えた違和感に似ている。

原作:覇亜 / 漫画:矢口岳
ファミ通クリアコミックス1巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・オカルト / 好み度:★★☆☆☆

原作をそのままコミック化は商業媒体として厳しいにしても原作の持つわけのわからん雰囲気をうまいこと描写する描き手は他にいただろうにと思ってしまう。作画・原作自体が悪いわけではなく相性が良くないということなんだけど。出版社側の事情とかいろいろ想像できるけど想像でしかない。
あと幕間に同じシーンの原作絵とコミックス作画ラフを並べるというのは・・。原作が有名になった経緯からの企画なん?連載は完結、1巻以降の話はWEBで閲覧できます。