パロディとエロとせつな系シリアスと暴走ギャグが混濁する怒涛の物語。1話エピソードが短いためか息をつかせぬ展開とはこのことかと感じるほどの急展開ぷりが印象的でした。いろんなネタのオンパレードでええもうこれくらい突っ走られるといっそ清清しくもあり。
物語は主人公のオタクカミングアウトモノローグで開始。2次元のみに愛情を感じると豪語しつつ寮の自室で大好きな漫画を読む主人公。そして突然本が光りその漫画のヒロインで主人公が激愛するキャラが飛び出してきた。・・ってどっかで見たような展開ですがその登場した女の子は漫画の中のキャラと真逆の性格だったという展開。漫画本編では清楚可憐だが出てきた女の子は豪胆の一言につきる性格。タイトルの豪デレはこれから来ている模様。
主人公は覇者となる器なのでハーレムを作るべきということで女の子をたくさんさらってくるという始末。あまりの展開に開いた口が塞がらないわ警察にはつかまるわで散々な主人公。まあ女子集めとか逮捕とかはギャグ落ちなので次のエピソードではなかったことになっているパターンですが。
主人公の在籍する学校もちょっとひねってあるというかリアルに女子に囲まれる設定のためか、女尊男卑な学校でボロく人がほとんどいない男子寮にこっそり暮らしているという設定。あと2次元好きな主人公ですが幼馴染などテンプレな立ち位置の女の子キャラが登場します。メインヒロインを含めた女の子たちは一見「強い女性」だけど実はもろい部分があるという共通項があるのかな。
主人公がエロ全開でなく常軌を逸した状況に高速で振り回されているノリと、怒涛のバカエロ展開にうまいことシリアスが挟まっている構成がツボどころ。あとおそらくは実在する著者の先輩(?)漫画家がモデルであろうキャラがかなり笑えました。濃い、濃すぎる・・。
本来のヒロインキャラは現代設定のキャラだろうのに豪デレヒロインは口調や行動が戦国武家の女性のようで。性格だけでなく設定も違う謎。1巻の終わりで最初に出てきたヒロインはやはり「本物ではない」ということが提示されているのでその辺の謎はおいおい語られるのだろうなー。
テンションが高いコメディを読みたい人向け。とにかく圧倒されます。1巻ではギャグの勢いのほうが強かったけど著者だから痛切ない展開は後々あるんだろうなあ。読んでて辛くないといいなあ。
水無月すう
ジェッツコミックス全4巻 / 白泉社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★☆
そういや二次元の女の子が三次元に登場ってパターン、ビジュアル的に2→3になるってのは無理があるよなあとふと思ってしまった。フィギュアみたいになるん?