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幼い頃弟が見ていた特撮戦隊モノを何気に見た主人公は、彼らの着る全身タイツに魅せられる。地味が理由でその番組は打ち切りになったのだが主人公にとってはバイブルであり見るだけでなく自分も全身タイツを身に着けたいと望むようになる。しかし大家族でプライバシーが駄々漏れの実家ではどだい無理な話だった。そして時は経ち主人公は大学生になる。学校を選んだ基準はもちろん一人部屋の寮があること。これで万事解決と思いきや学校側の手違いでボロ寮のほうに回され他人と同じ部屋になることに。
落胆が隠せない主人公だが、戦隊特撮同好会の部室にいた女性に出会ったことから主人公の世界が開けてくるという流れかな。
全身タイツ愛好の主人公をはじめとしたいわゆるマイノリティ嗜好、平たく言うと変態の大学生たちの青春キャンパスコメディ。主人公以外にも変態は登場しますが、嗜好は少数派でもそれを前面にさらけ出すタイプではなく自分で満喫するタイプに近いか。それゆえかメンタル面の重さは感じられずあっさりした雰囲気。
主人公は傍目から見れば美少年、でもその人におおっぴらに言えない嗜好ゆえ彼女ができない。そんな主人公がときめいたのは、特殊な嗜好はないものの性格が残念な女性。主人公の恋の行方と嗜好の満喫を中心にキャンパスライフが展開されていく模様。
マイノリティ嗜好の面々の話ですが内容は大学生の青春モノそのものというべきか。心情描写や登場人物同士のやりとりは、さりげなく哲学というか深いものは感じるのですが、かみくだいて理解できない部分も多く。主張などが相容れないではなく何を意図して言っているのかがわかりづらいという。つまり私の読解力がないだけなんですがね。
主人公がふいに見たものにひどく感銘を受ける描写は真に迫っているというかひどく共感を覚えました。
小林じんこ
IKKIコミックス１巻 / 小学館
ジャンル：青年・青春 / 好み度：★★★☆☆