主婦層のレーベルで刑事ドラマ、のコンセプトにものすごくしっくりくるタイトルでした。架空の部署・警視庁捜査一課のパートタイム班が舞台。班名の通り所属する刑事は基本5時で業務を終了するパートタイム。といっても班長は正規の男性警部でベテランながら厄介者扱いでここに配属されたよう。
主人公のパート刑事は、元婦警と有閑マダムと漫画家志望と、女性ばかり3人。パートなので定時になると捜査が中途半端でも帰宅するわけで班長はイライラといったはじまり。3人の刑事の中で内2人は正規ではあまり無いような理由で刑事になっていますが主役格は元婦警で父も刑事というそれなりに近い畑のキャラを配置しています。
つまるところはみだし者4人で構成された版画、関わった事件を独自の方法で解決するという内容。間に刑事たち個々人のエピソードを挟みつつ、一致団結というより、各々で捜査もしくは行動した結果、事件解決に繋がるといった流れかな。
パートとはいえ刑事に必要なそれなりのスペックを持ち正規では考えられない方法で、というところがミソか。キャラ描写は独特な部分もありますがミステリとしては割とスタンダード。女性向け(というか主婦層向け)らしく犯人探しミステリだけが主題ではなくむしろ関係者たちの心情やドラマ、そして事件に対して刑事たちの思うところが物語の肝。
設定は突飛だし破天荒なシーンもありますが物語自体はリアリティがあり1事件に1冊使っているのでじっくり描かれており読ませる内容かと。
深沢かすみ
ジュールコミックス1巻 / 双葉社
ジャンル:女性・ミステリ / 好み度:★★★☆☆