古代日本のような文化形態で、100年毎に竜と皇族が契約し竜の恩恵を受けていた国が舞台。
水を操る技術を持ち卓越した能力を持つ水使いの少年は、飯が腹いっぱい食えればいいと仕事の達成の内容の割りに周囲から見れば少ない報酬で満足する人物。竜との契約更新を控えた今、彼は学友でもある皇女の護衛を破格の対価で受けることになる。しかし実際竜の契約は更新できず、また宮中で異変が生じ主人公は皇女を守り戦うことになるというはじまり。
竜に守護されるかわりに竜に左右される天災を受けるという契約なわけで、国にとっては利益だけど特定の民衆の犠牲を払っているのも事実。そのあたりで反乱が起きそのメンバーにはかつての仕事仲間が。現体制に思うところがないでもないがかつての仲間の理念に同調できずとまどう主人公、という流れかな。
国のために被害にあう土地の者たちの不満、国民の中での格差、国のために個を蔑ろにしていいのかといった問題提起が。ファンタジー設定ですが人間描写と物語の根幹は骨太な内容。現実にリンクする部分が多いなあ、やっぱ。
一色登希彦
ジャンプコミックスSQ.全3巻 / 集英社
ジャンル:少年・活劇 / 好み度:★★★☆☆