ネームまでは自分がするが後の作画は娘に丸投げする漫画家の父親と、生活のためしぶしぶ父親の仕事を完成させる娘。描かない漫画家の父と中学生の娘とその周辺の物語。
主人公は女子中学生。そこそこ売れている漫画家の父を持つ。しかしこの父、ネームはきっちり作るが締め切り前にトンズラしてしまう癖がある。原稿を落とせば生活が立ち行かなくなるということで主人公が父の絵を真似て原稿を完成させるという流れができてしまう(正確には主人公とその妹が作るのだが)。
仕事を完成させなければ生活が成り立たないので学業などの合間を縫って作画をこなす主人公。本来やりたいことやるべきことをする時間が削られることの苛立ち、今は父がネームを作っているがそれすらしなくなると物語がつくれない作画しかできない自分だけではどうしようもなくなるという危機感、片思いの同級生の男の子は父親のファンで彼の言動に対する複雑な心情、なんかが描かれていきます。
娘を便利に使う反面それなりに娘への愛情があったり娘の作画の腕に嫉妬したりとわけのわからん父親がにんともかんとも。自由人という意味でなく未成熟という意味でのこどものような父親にちょっいイラっとくるんですよね。そこがこの話の肝のひとつではあるし後々変化があったり納得のいく理由が描かれるかもしれませんが。
一風変わった漫画家漫画であると同時にダメ親の尻をぬぐう娘たちという構図の家族ものでありラブコメでもあり。人間ドラマコメディとしては秀逸な内容かと。
帯に実体験（なのか？）とあるけど実際どうなんでしょう・・。
星里もちる
リュウコミックス全４巻 / 徳間書店
ジャンル：青年・コメディドラマ / 好み度：★★★☆☆