車が大好きで車に関する非凡な能力を持つ少年は、F1ドライバーというバケモノを目指す。
主人公は車の整備会社の息子で車が大好き。5歳のころ偶然得たラジコンカーを公道に出してしまい取ろうとしてF1レーサーが運転する車と衝突しそうになる。
運転をしていたF1レーサーは、事故には至らなかったのは自分の状況判断と運転技術もあるがそれと同時に5歳である主人公も同じ状況判断をしていたからということに気づく。
車好きゆえの日常のとある行動で鍛えられた動体視力など主人公の車に関する才能を見出したF1レーサーは、主人公にカートを与えひとりでもできる練習方法を与えレースの世界への道を提示する。そして7年後、主人公がレーシングスクールの入学試験を受けるところから物語は動き出す。
主人公の秀でた能力は、天性(もあるだろうけど)というより車への類まれなる傾倒ゆえに積み重ねられた修練によるものが強い印象。それゆえに主人公が周囲から飛びぬけていてもご都合的な展開と感じないところが良。
また主人公のブレない目標意識や読者を引き込む正統な熱さ、マイナーな世界に関する的確でわかりやすい説明
と作品に惹きこむ構成が見事。
主人公をレースの世界に引き込んだサラブレッドなレーサーの息子、天才タイプの少年、華も才能もある女子、人間関係でおそらく一番主人公に近くいて説明役の平凡な少年と人物配置も手堅い。
最終目標はF1トップドライバーなので道のりはかなり遠い・・のかな。長編を予感させる内容はたいてい1巻目は退屈なものだけどこちらは1巻目でも読ませる内容だったのが好印象。
山田一喜
少年サンデーコミックス全5巻 / 小学館
ジャンル:少年・カーレース /好み度:★★★★☆