どんな願いも叶える靴をつくるという靴屋がある。その靴屋に訪れる客の人間模様を描いたオムニパスストーリー。
若い青年が営むその靴屋は、どんな願いも叶える靴屋。店主に願いを伝え、店主が作ったその靴を履いている間は望みが叶い続けるというもの。
大切な人間の幸せを願う望み、復讐の望み、幸せを得るために相手を追い落とす望み。いかなる望みの靴も公平に作る店主は、相手に感情移入せず忠告はするが肩入れはしないある意味プロなキャラで物語の狂言回し的役割を担っています。
大切な相手を思っての望みはとどんでん返しが効いためでたしな結末を、昏い感情から湧き出た望みは叶えどもブラックというかシビアな結末を。
類似作品は多々ありますが、主格となる人間の望みと辿る結果などひとひねり加えた構成と様々な人間模様の描写と情緒深くせつなさが際立った、秀逸なタイトルかと。
2話とか少女漫画のわりにシビアだなと思ったらSQに掲載とのこと。納得。
酒井まゆ
りぼんマスコットコミックス全1巻/ 集英社
ジャンル:少女・オカルトドラマ / 好み度:★★★★☆