無常に殺された死者の死の今際の感情を感じ絵にする少年と、ある事件を公私ともに切り捨てられない切れ者の老刑事。闇を抱える2人の出会いが未解決の事件の真相を追う。
殺人現場の検証をしていた老刑事は、死者の感情を読み絵にする少年と出会う。刑事側も当初は絵の意味するところを掴みかねていたがそれを知るや少年にある協力を望む。それは刑事の身内も犠牲者となった未解決の陰惨な事件の真相解明であり彼自身の闇を打ち払うためでもある。少年も刑事と出会ったことにより自身の抱える闇と向き合うきっかけとなるという展開。
超常能力が捜査の要素となる話はいくつからるものの、主人公の少年は現場の状況を再現するのではなく被害者の死の直前の感情を描くとか、主人公は視るときはトランス状態でその際少なからず体に負荷がかかるという設定とか絵を媒介に真相を探るというところは個人的に目新しかったかな。
それゆえに刑事のように当初つかみどころがなかったものの物語の基軸は明確になるのに時間が掛からずこの先どう展開していくのか続きがきになる構成は良。
米原秀幸
ヤングチャンピオンコミックス全4巻 / 秋田書店
ジャンル:青年・サスペンス / 好み度:★★★☆☆
ABSURD! と同じ作者だったのか。絵の雰囲気が違う印象だったので気がつかなかった。主人公のトランス状態の表情とか刑事の所作とか、チリチリとしたものが沸き起こった幼いころ、昔確かに感じたはずの表現できないなにかを思い出す。なんでそんなものが呼び起こされるのかわからんけどそんなわけで個人的に内容より作中の雰囲気に魅了されたタイトル。