舞台は19世紀末のパリ。主人公は女学生マノン。幼いころ強盗に両親を殺され自分も殺されそうになったときとある警官に助けられたことから警官を目指し新聞で事件の記事を見かけると現場に立ち寄るほどに。
そんな中、事件の現場を検証していたところ自殺者と間違われクローデル警部に保護される。彼はパリ警察特殊捜査通称オルフェーヴルの犬に所属する腕利きの警察官だった。これをきっかけに主人公は警部の担当する事件に関わることになるという展開。
冷徹と称されるクールメガネ青年警部と無鉄砲で勝気な少女の恋愛&刑事ミステリ。扱われる事件は殺人ばかりで展開上血生臭い場面もあれど作品全体は少女漫画そのものの雰囲気です。近世フランスが舞台で時代考証もそれなりですが登場人物の設定や作品全体のノリは現代に近いアレンジがされています。
実は主人公を助けたのは若いころの警部でありという王道の設定。恋愛方面のエピソードもまたしかりですがそれゆえに安定感あり。一見冷徹キャラが主人公に対し徐々に軟化していく過程はやはりおいしい(笑)
ミステリのほうも本格的とまではいかないまでもおざなりでもなく。事件とメインキャラの関係の変化をうまく組み合わせている印象を受けました。
英貴
KC×ARIA全1巻 / 講談社
ジャンル:少女・ミステリ / 好み度:★★★☆☆