時は1983年、オペラ歌手の母は不在、浪費癖のある祖父と暮らすパンク好きの女子高生のお話。
主人公はミッション系お嬢様学校に通う女子高生。厳格な学校に通ってはいるが、本人はパンクに傾倒しており、天然に、だが自分なりに考えるものの周囲にとっては型破りな行動を起こすキャラ。
母はオペラ歌手で世界を回っているため常に不在、祖父と2人暮らしだが、この祖父が自由人で浪費癖があるというか金銭感覚が乏しいというかで、家計の金をくすねて自分のやりたいことをしてしまうタイプ。
坊主頭にして教師に怒られたり、祖父の浪費を怒ったり、家計を稼ぐのとイギリスへ行くため音楽鑑賞機器を買うためなどちり紙交換のバイトをしたり、といった主人公のある日常を描いた内容です。
こちらも著者の青春時代の逸話をベースに描かれたフィクション、というかほぼ自叙伝?主人公のキャラや行動のいくつかは著者とかぶるなあと思ったらやっぱ当人がモデルだったのかとあとがきで知る。
年長者が生活費や未成年の家族がためた金に手をつける、理解のない大人にへこまされる(主人公はへこんでないだろうが)ってのは、どうしてももやっとするので作品としてはあまり楽しめず。特に爺さんに本気で腹がたってしまうという。うーん同じ内容でもエッセイ形式の構成だと興味深く読んじゃうんだけどな。
主人公の思考の方向性は常に安穏と生きたいと考えている私にはやはり真似できないし羨ましいと思う。けど人生に無駄はあまりないよ、とは思う。こういう感慨は年をとってから得るものなんだろうけどね。
ヤマザキマリ
オフィスユーコミックス全1巻 / 小学館
ジャンル:女性・ドラマコメディ / 好み度:★★★☆☆