穏やかな気質の少女凛咲。ただ親友や周囲の女子が輝く「恋する気持ち」に実感がなく疎外感は感じていた。そんな中、インパクトのある出会いをした同じ学校で人気者の少年・夕暮にそれまで感じなかった気持ちを感じるようになる。
恋という気持ちがわからなかった主人公がある男子との出会いで、恋を体感していくという話かな。恋をするとその相手がキラキラとした存在になるというコンセプトの、ごく普通の少年少女のごく普通の恋がテーマのようで。
短編集でも感じたけど著者の描く主人公は、好ましい印象を受けるキャラだよなあ。自分よりも他者を優先する傾向だけど、押しつけがましくなく無理してるわけでもなく、当人にとっては息をするように自然なことというタイプ。親友や相手の男子にはそれがきちんと伝わっている設定なのも印象的。
羨望の対象だった感情を得た主人公の心情描写がツボどころでした。今後は両想いになったのちの周囲や主人公カップルの動向がメインになっていくのかな。
短期集中連載後に再連載の形をとっているようで、１巻途中で両想いになる構成なのでコミックスで見ると若干展開が早い印象も。１巻の段階では女子間で見られる陰湿な要素はほとんどなく、終始ゆるく柔らかな雰囲気。主人公も周囲も良いコすぎるという意見も出そうな内容ですが、個人的に漫画として読むには殺伐としたリアルさよりもこういうほのぼのな話のほうが好みなんですよね。
村田真優
りぼんマスコットコミックス全１０巻 / 集英社
ジャンル：少女・恋愛 / 好み度：★★★★☆