時は江戸時代、無法者が多く滞在し、番所の役人だけでは対応しきれないため、面倒ごとを起こす無法者を独自の判断で切り捨てていい許可を得た町の用心棒・拝札人を置く町が舞台。そんな町に流れてきた怜悧な顔立ちの剣士が、ある事件からその拝札人になることに、というはじまり。
端整な顔立ちに似合わずかなり腕が立ち、的確な状況を見る目がある、一見無関心を装ってもけっこう人を助けるという隙のないキャラが主人公なので、自然と話もこってこてじゃないにしろそれなりに勧善懲悪。
ある意味主人公とは対照的な、正義感は強くまっすぐな気質だけど正直無能ぽい役人の青年と主人公とのやりとりも面白いです。
主人公は女性かも?とかかつて略奪集団の上の人間だったかも?など暗に示されているコマがあり、説明的台詞や解説に頼らず、こういう要素をさりげに暗に示す演出が良いなあ。最近ではあんまり見かけないような。つかこういうのは時代劇ものに特化しているのか。
1巻の段階では町の揉め事を一話完結形式で描く構成ですが、後々集団が登場するのかな。濃すぎず薄すぎずちょうど良い塩梅の作風で読み応えのあるタイトル。
近藤崇 / 原作:さいとう・たかを
SPコミックス1巻 / リイド社
ジャンル:青年・時代劇 / 好み度:★★★★☆