片思い・恋愛・勘違い・性・嫉妬・主観と客観の著しい差異、茫洋と過ごす学生たちのグダグダな青春の1ページ。
片恋とか好きな相手との夢想とか目指すものがあるとか、ジャンル的には青春群像。なんですがどーもグダグダというかダルダルというかなあなあというかそんなゲル状な雰囲気。
主人公の男子生徒には片恋の相手がいる。見ていることを悟られぬように視界に入れて彼女を眺める。その彼女はメガネの小太りの男子と常に話していることに苛立ちを感じる。主人公の友達はウケないギャグを繰り返す。主人公の女友達は主人公に懸想している。また主人公の片恋の相手は性に積極的なタイプで消極的なメガネ男子をひきたおす。
ずっと連れ立っているのでてっきり付き合えると思っていたのに違っていたときのがっかり感、相手が自分に惚れていると勘違いしてそれを相手に訂正される得も言われぬ気まずさ、自分の中途半端なギャグをイケてると思っているイタさ、痛いところを指摘されて必死で取り繕う様の焦燥感、あと肉食女子に飲まれる草食男子の辛さとか。
イマドキの学生の日常かどうかはわかりませんが、微妙に歪んだ青年向け絵柄と淡々とした描写が妙なリアルさをかもし出しているタイトル。1つのエピソードが短く、パッとオチをつけて終わる構成なのも秀逸。
古泉智浩
青林工藝舎全1巻
ジャンル:青年・青春 / 好み度:★★★☆☆