わんわん明治維新 他青年・少年漫画6件 

わんわん明治維新 (リュウコミックス)
押井 守 西尾 鉄也
押井 守の語り、西尾 鉄也作画による明治維新に関わる歴史人物たちに焦点を当てた歴史漫画。ストーリーものではなく、歴史解説漫画そのもの。ちなみに題名にもあるように漫画内のキャラデザは押井さんを知る人にはおなじみの犬デフォルメキャラ。明治維新のころの偉人たちはほとんど名前しか知らないので大変勉強になった。わかりやすいというか要点を的確に描いており興味を引く構成なのが良い。維新の面々についてだいたい知りたい人にはオススメ。アニメ・映像製作業界ネタも多分にまじっておりますが。個人的には最後に出た土方歳三の話は唯一割と知る人物だっただけに読み応えがあった。★★★☆☆

京アミ! (ドラゴンコミックスエイジ)
ポルリン
京都アミューズメント学園に入学した主人公だが、入学する科を間違え、小説家志望なのにゲームクリエイター科に入学してしまう。ところから始まる、女子3人を中心に描かれる専門学校物語。エロゲーの制作を主としているため萌え色が濃く、専門学校ならではのエピソードではあるけれどゲーム制作向上目的の女子同士の絡みがメインのよう。百合ものとも言えるのか、これ。ゲーム制作過程にはそこそこ興味をそそられたが、絵のクオリティが微妙で正直なところエロ要素が邪魔でしかなかった。

まじブラ!? (アクションコミックス)
歌麿
超ブラコンの妹は、町で噂になっている変質者が兄と羽根の生えた女性だと知る。ファンタジー系エロ全開ものかと思ったら予想斜め上の変態系バカコメディでした。エロ系を読み慣れた人ほどよくわからないという感想が出そうな作品。ストイックな兄の代わりに変態要素が強い妹が暴走、悪魔の女性が誘惑する側ではなくM側など、定番(売れ筋)からかなり逸脱した展開。個人的にはそこが良い(笑) 。エロ絵面もちゃんとあるにはあるんだけど読者層にはどうだろうと疑問が残るほどニッチ。人物の行動にもちゃんとそれなりの理由づけがしてあるしエロ以外の話の筋も凝っているし絵も質が高いので、個人的にはけっこう楽しめた作品。★★☆☆☆

まいどる (アクションコミックス(アクションピザッツ))
松波留美
付き合っている彼女が芸能デビューした青年の話。交際中に彼女がデビューしたという設定で、アイドルになった彼女とラブラブH三昧という内容。主人公の相手は本命の彼女のほかには彼女とユニットを組んでいる相方の女子のみ。事務所側が二人を別れさせようとするとか芸能記者とか芸能ネタならではの要素もあるものの修羅場らしい修羅場も無く、ストーリーはほぼ無い。このタイトルにおいては下手に物語を付加するよりも描写に徹したのが成功している印象。彼女がしょっぱなから饒舌なのはいかがなものかと思うが男性向けの鉄板か。まあ様々なシチュエーションでのHはあるものの突き抜けたものは少ないからバランスは取れているか。基本的にラブラブカップルなので印象は良い。

アリス・ロワイヤル  (アース・スターコミックス)
ai&kai
不思議の国のアリス世界観をモチーフにしたファンタジーロイヤルバトルアクション。トランプマークを冠する4つの大国を舞台に多大な力を持つ宝石をめぐる王と騎士が策謀と戦闘に、宝石を盗みに来た凄腕の盗賊の青年が巻き込まれる話、かな。定番な話かと思いきや、事態は二転三転し、いい意味で目まぐるしく興味をそそる展開に。いろいろ詰め込んでいるが話の肝は要所要所できちんと表現しているのでおいてけぼり感は存外少なかった。ただバトル場面の配分の過多とバトルメインでいくには画面構成能力が微妙。正直なところ、設定や話の構成の秀逸さに比べ表現力の乏しさには残念の一言に尽きる。いかにも打ち切りな終わり方も含めて。

こんぷり! (ニチブンコミックス SH comics)
浪州 建博
とある少女があるきっかけから神と契約し戦うというSFファンタジー的アクション。いろいろと気になる要素・興味をそそる設定やドラマがちりばめられているものの同人の域から出ていない、不完全さが半端ない印象。光るものが感じられるものの、描写・表現がそれに追いついておらずその良さが伝わらない。著者の中では物語はきちんと組まれていると思えるだけに残念。絵が下手ってわけじゃないんだけどもこの題材を描くには力量が不足しているとしか。