灯を落としたあとで 加東セツコ

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灯を落としたあとで・長い道の先に・道の果てにふたり・晴れた雪の日・重ねる恋は・灯がともる前にを収録したBL作品集。
灯を落としたあとで・灯がともる前に
若いながら腕の良い職人気質の仕立て屋の青年・匠は、ある日店に飛び込みでやってきたことから彼のスーツを仕立てることになった鷹野に惹かれていく。若き事業家と小さな個人営業のテーラーの仕立て職人の青年の話。仕立て屋と客というはじまりからゆっくりと親密になっていく、じれったくもしっとりとした大人の恋物語といったかんじ。事業家が店に突然やってきた理由がかわいい。双方きちんとした大人だけど恋愛に関しては少年みたいに初々しいってのが見どころか。
永い道の先に・道の果てにふたり
実家が造園業を営む実家を継がずかいしゃ勤めをしている長男と、父親の弟子で住み込みで働く職人の青年の話。妹と職人の結婚が持ち上がったことで、長男は職人への気持ちを実感してしまい。まあなんとはなしに互いが互いを好きであると薄々気づいている状態からの話。双方距離を測りかねている描写が良い。想いを確認し二人暮らしをはじめてからもあいかわらず微妙にすれ違っちゃう2人がもう。敬語つかう側が攻ってのがまた萌える(笑)
晴れた雪の日
普段から自分を好きだと言う相手と雪山で遭難し山小屋で一夜をすごすことになった青年の話。好きだと言われ続けていやな部分が特にないとやっぱ気持ちは傾いちゃうよねー。ましてやこのシチュエーション。
重ねる恋は
有名企業の常務の青年と居酒屋のバイトの青年の話。表題作もそうだけど地位のある企業人が恋にはまってなりふりかまわない、どちらも双方を思いやるシチュエーションは良いな。こちらの常務さんは庶民感覚に慣れていないところがツボどころか。
強引さや機をてらったものが少ないというか、分別をわきまえた大人なキャラというかな著者のカラー、雰囲気というか落ち着いた画面構成が好みでした。

加東セツコ
あすかコミックスCL-DX全1巻 / 角川書店
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★☆☆