とある街の長い階段を下った先にあるカフェのマダムとアルバイトの少女、カフェを訪れるお客たちが紡ぐ不思議で奇妙で優しくも切ない物語。
とある少女に応募もしていないアルバイト採用通知が届く。勤め先は美しいマダムが経営する不思議なカフェ。少女は髪を結いあげ服を着替え、忘れられない思い出を求めやってくるお客様を迎える。
抒情的というか夢見的というかな不思議ファンタジーな雰囲気のお話。枠線も噴き出しも極力省略し、ト書き?的モノローグが多い画面構成が特徴。漫画というより絵本ぽいというか。個人的には昔昔の同人誌を思い出します。
文字が多いので地味に情報量が多く物語はかなり堪能できる内容でした。この世界においての人が死んだ後の設定とかそれに伴うカフェのお客層とかが面白い。主人公自身の話よりも主人公がストーリーテラーの役割を担っての人間ドラマって形が多いかな。少女の主観というか誰かに丁寧に語る口調が印象的。
幻想的な雰囲気が相変わらず秀逸で、知らず物語に引き込まれていきます。
川原由美子
朝日コミックス1巻 / 朝日新聞出版
ジャンル:女性・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆