剣道部に所属する少女かさねは、車に轢かれそうになった弟を助けようとした瞬間違う世界へと転移してしまう。そこは群雄割拠の戦国時代の世界だった。
弟が車に轢かれそうになったのは道端に落ちていた刀を拾おうとしたからで主人公が転移したのもまたその刀が原因のよう。
主人公は現状が理解しきれないながらも、持ち前のタフさと剣道の才によって切り抜けていく。そして出会った尾張の新当主・信長の兵として生きていくことを決意する。
少年誌だからかシリアス一辺倒ではなくコミカルな場面も多々あるのが特徴。重いシーンもさほど気落ちすることなく読めます。
主人公が戦国時代に使える武力と冷静に状況を見る能力をそれなりに持ち、どまどいながらも前向きに進むというのは、戸惑うばかりのキャラよりも好感が持てストレスなく読めますね。人が簡単に殺し殺されるという、戦争を知らない世代の少女の戦争まみれの世相とのギャップに苦悩するというのはお約束というか必須なのでしょうが。
タイムスリップもので有名な武将とかに出会った場合は大なり小なりミーハー的な反応をするというのはよく見るのですが、ファーストコンタクトでこの主人公にはそれを感じなかったのは目新しいかも。
戦国時代にタイムスリップというネタでは織田信長と接点を持つ話が多いのはやはり戦国武将の中で一番革新的で斬新なキャラというイメージがあるからなのか。
あと気になったのは主人公はかさねのはずなのですがどうも信長を重点に話を回しているような気がしないでも。まあおかしくはないのですが・・うーん。
七海慎吾
ガンガンコミックスJOKER 全15巻 /スクウェアエニックス
ジャンル:少年・歴史・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆
信長と関わるタイムスリップものというと時空の旅人を思い出してしまう世代です。