新入社員の高橋は小さいながらも良き環境の会社に満足していたが、ひょんなことから上司の徳永がゲイで、社長をはじめ社員たちにも周知の事実で受け入れられていることに少なからずショックを受けるが。リーマンBL。
主人公が、すぐ上の近い年代の上司の青年がゲイで、既婚の社長に片思いと知らされることから始まる話。カミングアウトもあっさりとしたもので、周囲も認識していているという事実に、嫌悪ではなくカルチャーショックの類の衝撃を受けるも、徳永をけなげさに次第に惹かれていくという流れ。
徳永の可愛さというか一途さと、そんな彼を見る高橋の描写もツボでした。
BLファンタジーな世界観に頼り切らずそれなりにリアリティを出しつつもほのぼので幸せな気持ちとチクリとするせつなく甘い感情が得られる構成が好みでした。
しかしまあ正直なところ個人的にはメインカップルよりもなによりも社長が一番萌えたんですよね。現在は周囲に受け入れられているとはいえ過去にはやはり偏見があり周囲と一線をひこうとしていた徳永に、一見穏やかな気質の社長が、仕事で見返せと喝を入れたというエピソードとか、社長がなぜゲイに対して偏見がないのか、という理由がうかがえる過去の話とか、ああ・・こんな社長ならどこまでもついていくわ、と。
同時収録は同じ場所へ。高校生BLなんだけどちょっとビターなタイプの少女漫画を彷彿とさせる展開でした。複雑である種似たもの同士カップルということなのかな、これ。
続編かシリーズで「俺と部下と恋の先」というタイトルもあるっぽい。
ナナメグリ
ニチブン花恋コミックス全1巻 / 日本文芸社
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★★☆