舞台となる男娼館は、雅な着物を着た花魁たちが男性客をもてなす館。いわゆる吉原の男の子版と言ったかんじ。
かつて可憐な容貌を持つ売れっ子花魁だったが、着物が似合わなくなるほど背が伸び男前になってしまった花魁・壱星。指名もなくなり肩身が狭くなっても館に居るのは初恋の相手との再会を望んでいたから。そんな中、待望の相手が館にやってくる。彼は自分と違い昔と変わらぬ愛らしさを保ちショックを受けるも、もう二度と会えないと思うと・・という展開。
花魁が客を押し倒すってBLならではなのかねえ。体格的にというか絵面的に逆だと怖いけども。
事件とかちょっとややこしい人間模様が見受けられる展開もありますが、一般の吉原もののような殺伐とした空気は薄く事件もあっさり解決するし、花魁に対する厳しいしつけの制度もあるようですがあっさりした描写。シリアス部分がゆるい設定なので気持ちが沈まず、読みやすかったです。
他には館一の売れっ子天満の片思いと複雑で素直になれないお客との関係を描いたエピソードもあり。壱星の話も好きですが天満の話もいいなあ。店主の話もありますがよくわからなかった;
どことなく微笑ましい雰囲気とセンチメンタルな展開と華やかで雅な装束の画面でおなかいっぱいなタイトルでした。内容も画面も好みですが雅なタイトルにも萌え(笑)
みろくことこ
バーズコミックスリンクスコレクション全1巻 / 幻冬舎
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★★★