ミスミソウ 押切蓮介

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父親の転勤で田舎に引っ越してきた一家。その長女である中学生の少女は、廃校が決定した転校先の中学校でよそ者として陰湿ないじめにあう。教師は自分を守るためあてにできず、そのいじめはエスカレートしていった。
そんな中、主人公は高熱を出し学校を休む。そして主人公が来る前にいじめの対象になっていた少女は見舞いをかねて学校にくるよう促すが主人公は拒否。それが引き金で放火され家族が巻き添えに。
救いも何もないというか、閉塞した環境で起こるガチガチの狂気の暴走が痛々しく辛い。娯楽がなく外に出るにはかなりの労力がいる環境ってのは歪んだ意識を生みやすいのか。
絵柄などからホラー的な雰囲気はありますが、実際は残酷なまでにリアルな人間心理とミステリ・サスペンス展開で構成されています。最後では見える人間関係や人間描写がひっくりかえるどんでん返しの展開に。鬱展開にはかわらんのですが、いたたまれないというか救いがないというか。それでも読んでしまうのは、物語的誇張はあるにしろ現実でもありうる話だからなのか。
ここまででないにしろ、山の田舎のところってこういうよそ者迫害って意識がまったくないとは言えないんだよねえ。スローライフ云々ってもてはやされることもあるけどね。

押切蓮介
ぶんか社コミックスホラーM全3巻 / ぶんか社
ジャンル:サスペンス・少女 / 好み度:★★★☆☆