インテリアをこよなく愛する青年は、念願の改造可の物件に引っ越しし、存分に堪能していたところ、隣の住人の部屋から鉄骨が突き抜け家具も壊れてしまう。隣の住人は青年の恋人の友人で美人、しかし果てしない汚部屋住人だった。そして残念な隣人は、青年の勤め先であるデザイン事務所にバイトとして入ってくるのだが。
主人公は、デザイナーズな建築や内装や家具などをこよなく愛する青年。彼がデザインインテリアに傾倒する経緯からはじまり、主人公の取り巻く人物関係と環境、もう一人の主人公であろう隣人の女性との出会いが描かれ、その後主人公はデザイン事務所に勤めていることが明らかになる。デザイン業界の蘊蓄をはさんで主人公は初めて飲食店の内装デザインを担当することになり、同時に件の隣人がバイトで入ってくるという流れに。美人で才能もあるのに汚部屋住人の隣人側の事情も挟みつつ人間関係の展開もメリハリがある。多くのエピソードと要素を入れ込んでいるのにごちゃついていないというか要素1つ1つを堪能して読めてしまう構成は見事と言うほか無い。特に主人公の初仕事での様々な心情や試行錯誤などの描写がとても丁寧で読み応えがあった。
この手の話ではたいてい主人公がなにかしらの隣人に恋愛的な関心が出てくるものだが主人公がすでに彼女持ちという設定で迷惑な存在以上になっていないところも面白い。後々変化する可能性は大きいのだろうけど。
インテリア関連雑誌を見るのは好きなのでその点からも個人的に興味深い内容だった。
安住だいち
ビームコミックスハルタ2巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・ドラマ・ラブコメ / 好み度:★★★★☆