戦争時下ナチスと大日本帝国を裏で操りっていた秘密組織は、新たな帝国の建立と世界を統合を目論む。その皇帝となる血筋の新聞記者・多田と彼の半身たる美形の青年・冬彦の物語。
えーと第三帝国の復活を目的とする地下組織オデッサの皇帝の継承者である悠里と彼と同じ血筋の冬彦を中心に展開される絢爛なハードボイルドロマンス・・でいいのかな。
主人公・悠里は日本で新聞記者を生業とするいたって庶民な人間だったがある日地下組織の皇帝の血筋だと知らされる。それを知らせたのはすでに組織に属し悠里の半身たる位置に在る人物・長髪美形の青年冬彦。冬彦は悠里が皇帝になるまで付き従うという展開です。主人公がホモなのはお約束、今でいうところの主従耽美BLに近い内容か。完全な主従というより相棒・半身といったほうがしっくりくる間柄ですが。
主人公2人の耽美かつロマンス的エピソードもあれば、組織にからむミステリやシリアスもあり。耽美な雰囲気ながらコミカルなシーンも無理なく入っているのでメリハリがあり、また話の構成もけっこう緻密で読み応えがあります。ご都合主義だったり舞台芝居のように大仰な演出だったりしますがそれもまたいい味が出ているかんじ。
本橋馨子
花とゆめコミックス全10巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ハードボイルド / 好み度:★★★☆☆